The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

May 1, 2003 Vol. 348 No. 18

蛋白-ポリサッカライド結合型ワクチン導入後の侵襲性肺炎球菌感染症の減少
Decline in Invasive Pneumococcal Disease after the Introduction of Protein-Polysaccharide Conjugate Vaccine

C.G. Whitney and Others

背景

2000 年初頭,7 種の肺炎球菌の血清型を標的とする蛋白-ポリサッカライド結合型ワクチンの小児における使用が米国で認可された.

方 法

侵襲性感染症の負担の変化を評価するために,米国疾病対策予防センター(CDC)による Active Bacterial Core Surveillance の住民ベースのデータを検討した.侵襲性感染症は,通常なら無菌の部位から肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)が分離されることと定義した.分離菌株の血清型別と感受性試験を行った.1998~2001 年に継続的に研究に参加した 7 つの地理的地域のデータ(人口 1,600 万人)を使用し,傾向を評価した.

結 果

侵襲性感染症の罹患率は,1998 年と 1999 年の 10 万人当り平均 24.3 例から,2001 年には 10 万人当り 17.3 例まで減少した.2 歳未満の小児で減少率が最大であった.この群では,2001 年の罹患率はベースライン時より 69%低く(10 万人当り 59.0 例 対 10 万人当り 188.0 例,P<0.001),ワクチンが原因の疾患およびワクチンに関連した血清型による疾患の罹患率は,それぞれ 78%(P<0.001)および 50%(P<0.001)低下した.成人でも罹患率が低下した;ベースラインと比較して,2001 年の罹患率は 20~39 歳の成人で 32%(10 万人当り 7.6 例 対 10 万人当り 11.2 例,P<0.001),40~64 歳で 8%(10 万人当り 19.7 例 対 10 万人当り 21.5 例,P=0.03),65 歳以上で 18%(10 万人当り 49.5 例 対 10 万人当り 60.1 例,P<0.001)低かった.ペニシリン非感受性菌による疾患の罹患率は,2001 年は 1999 年より 35%低かった(10 万人当り 4.1 例 対 10 万人当り 6.3 例,P<0.001).

結 論

肺炎球菌結合型ワクチンの使用は,ワクチンが適応となる小児の疾患を予防しており,成人での発生率も低下させる可能性がある.ワクチンは薬剤耐性菌が原因の疾患を減少させるうえで有効な新しい手段である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 348 : 1737 - 46. )