The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 13, 2003 Vol. 348 No. 11

ピーナッツアレルギー患者に対する抗 IgE 療法の効果
Effect of Anti-IgE Therapy in Patients with Peanut Allergy

D.Y.M. Leung and Others

背景

ピーナッツが誘発するアナフィラキシーは,IgE を介する病態であり,米国では 150 万人が罹患し,年間 50~100 例の死者を出していると推定されている.TNX-901 は IgE に対するヒト化 IgG1 モノクローナル抗体であり,肥満細胞や好塩基球の表面に存在する,高親和性 Fce 受容体への結合に関与する IgE の CH3 領域内のエピトープを認識し,覆い隠して結合できないようにする.

方 法

ピーナッツに対する即時型過敏症の既往がある患者 84 例を対象として,二重盲検無作為用量設定試験を実施した.スクリーニング時に,二重盲検プラセボ対照経口食物負荷試験により過敏症を確認し,カプセル入りピーナッツ粉の閾値用量を決定した.患者を 3:1 の割合で,TNX-901(150,300,450 mg)またはプラセボを 4 週間ごとに 4 回皮下投与する群に無作為に割付けた.患者は,4 回目の投与後 2~4 週間以内に,最後の食物負荷試験を受けた.

結 果

各群におけるベースラインの平均ピーナッツ粉感度閾値は 178~436 mg であったが,経口食物負荷閾値の平均増加量は,プラセボ群で 710 mg,TNX-901 150 mg 投与群で913 mg,TNX-901 300 mg 投与群で 1,650 mg,TNX-901 450 mg 投与群で 2,627 mg であった(450 mg 投与群とプラセボ群の比較では P<0.001,用量増加に伴う傾向性の P<0.001).TNX-901 は忍容性が高かった.

結 論

TNX-901 450 mg の投与は,経口食物負荷試験におけるピーナッツ感度の閾値を,ピーナッツ約 1/2 個に相当する量(178 mg)から,ピーナッツ約 9 個に相当する量(2,805 mg)まで,有意かつ大幅に増加させた.この効果は,意図しないピーナッツ摂取の大部分の予防になるといえる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 348 : 986 - 93. )