October 9, 2003 Vol. 349 No. 15
新たに慢性骨髄性白血病と診断された患者におけるイマチニブあるいはインターフェロンα +シタラビンに対する主な分子的反応の頻度
Frequency of Major Molecular Responses to Imatinib or Interferon Alfa plus Cytarabine in Newly Diagnosed Chronic Myeloid Leukemia
T.P. Hughes and Others
無作為試験において,慢性期慢性骨髄性白血病(CML)患者 1,106 例を,初期治療としてイマチニブ,あるいはインターフェロンα +シタラビンに割付けた.この試験に参加し,細胞遺伝学的に完全寛解した患者全例の血液で,BCR-ABL の転写量を測定した.
BCR-ABL 転写量は,定量的リアルタイム PCR 法によって測定した.結果は,未治療の慢性期 CML 患者 30 例の血液における BCR-ABL の転写量の中央値と比較して表した.
細胞遺伝学的に完全寛解した患者において,治療 12 ヵ月後の BCR-ABL の転写量は,イマチニブ群患者の 57%とインターフェロン+シタラビン群患者の 24%で,少なくとも3 log 減少していた(P=0.003).イマチニブ群 68%,インターフェロン+シタラビン群 7%という 12 ヵ月の時点での細胞遺伝学的完全寛解率に基づくと,BCR-ABL の転写量が少なくとも3 log 減少したのは,イマチニブ治療を受けた患者では 39%,インターフェロン+シタラビン治療を受けた患者ではわずか 2%程度と推定された(P<0.001).24 ヵ月の時点で疾患が進行していない確率は,12 ヵ月の時点で細胞遺伝学的完全寛解であり,転写量が少なくとも3 log 減少した患者では 100%であったが,減少が 3 log 未満の患者では 95%,12 ヵ月の時点で細胞遺伝学的完全寛解でない患者においては 85%であった(P<0.001).
治療 12 ヵ月までに BCR-ABL の転写量が少なくとも 3 log 減少した CML 患者の割合は,イマチニブ治療患者で,インターフェロン+シタラビン治療患者よりはるかに高かった.このレベルの分子的反応のあったイマチニブ群患者では,その後の 12 ヵ月間に疾患が進行するリスクはごくわずかであった.