December 11, 2003 Vol. 349 No. 24
HIV-1 感染の初期治療としての逐次 3 剤投与レジメンの比較
Comparison of Sequential Three-Drug Regimens as Initial Therapy for HIV-1 Infection
G.K. Robbins and Others
ヒト免疫不全ウイルス 1 型(HIV-1)感染の治療における抗レトロウイルスレジメンの最適な投与順序は明らかではない.そこで,われわれはいくつかの異なる抗レトロウイルス療法の戦略を比較した.
部分的に二重盲検化したこの多施設共同無作為試験では,要因計画を用いて,逐次 3 剤を投与するレジメンの組み合せを比較した.ジドブジン+ラミブジンを含むレジメン,あるいはジダノシン+スタブジンを含むレジメンを,ネルフィナビルまたはエファビレンツのいずれかと併用して治療を開始した.主要エンドポイントは第二の 3 剤レジメンの失敗までの期間とした.
以前に抗レトロウイルス療法を受けたことのない被験者計 620 例を,中央値 2.3 年間追跡した.エファビレンツを含むジドブジン+ラミブジンを併用した 3 剤レジメン(エファビレンツとジダノシン+スタブジンの併用ではない)で治療を開始すると,ネルフィナビルを含むレジメンで治療を開始した場合に比べ,第二レジメンの失敗が遅延し(第二レジメン失敗に対するハザード比 0.71;95%信頼区間 0.48~1.06),さらに 2 回目のウイルス学的失敗も遅延した(ハザード比 0.56;95%信頼区間 0.29~1.09).また,第一レジメンの失敗(ハザード比 0.39)と初回のウイルス学的失敗(ハザード比 0.34)も有意に遅延した.ジドブジン+ラミブジンをエファビレンツと併用して治療を開始すると(ジドブジン+ラミブジンとネルフィナビルの併用ではない),ジダノシン+スタブジンで治療を開始した場合に比べ,第二レジメンの失敗が遅延し(ハザード比 0.68),初回と 2 回目のウイルス学的失敗が共に有意に遅延した(初回のウイルス学的失敗に対するハザード比 0.39;2 回目のウイルス学的失敗に対するハザード比 0.47).また,第一レジメンの失敗も遅延した(ハザード比 0.35).はじめにジドブジン,ラミブジン,エファビレンツを使用すると,より短期間でウイルス抑制がもたらされた.
抗レトロウイルス薬の有効性は,薬剤をどのように併用するかによって決る.ジドブジン,ラミブジン,エファビレンツの併用は,この試験で初期治療として使用された他の抗レトロウイルスレジメンよりも優れている.