ヒト免疫不全ウイルス 1 型（HIV-1）に対する治療を，4 剤レジメンと 2 つの逐次 3 剤投与レジメンのどちらで開始すべきかについては明確にされていない．

この多施設共同試験では，エファビレンツとネルフィナビルを，ジダノシン＋スタブジン，あるいはジドブジン＋ラミブジンと併用して投与する 4 剤レジメンによる初期治療を，2 つの逐次 3 剤投与レジメン（最初のレジメンにエファビレンツまたはネルフィナビルを含める）による治療と比較した．

計 980 例の被験者を中央値 2.3 年間追跡調査した．ジダノシン，スタブジン，ネルフィナビル，エファビレンツから成る 4 剤レジメン群と，ジダノシン，スタブジン，ネルフィナビルで開始した 3 剤レジメン群（治療失敗のハザード比 1.24），あるいは，ジダノシン，スタブジン，エファビレンツで開始した 3 剤レジメン群（ハザード比 1.01）とのあいだに治療失敗発生に関する有意差はなかった．ジドブジン，ラミブジン，ネルフィナビル，エファビレンツから成る 4 剤レジメン群と，ジドブジン，ラミブジン，ネルフィナビルで開始した 3 剤レジメン群（ハザード比 1.06），あるいはジドブジン，ラミブジン，エファビレンツで開始した 3 剤レジメン群（ハザード比 1.45）とのあいだに有意差はなかった．4 剤レジメンは，ジダノシン，スタブジン，ネルフィナビルから成る 3 剤レジメン（初回の治療失敗のハザード比 0.55），ジダノシン，スタブジン，エファビレンツから成る 3 剤レジメン（ハザード比 0.63），ジドブジン，ラミブジン，ネルフィナビルから成る 3 剤レジメン（ハザード比 0.49）よりも初回の治療失敗までの期間が長いことと関連していたが，ジドブジン，ラミブジン，エファビレンツから成る 3 剤レジメンについてはそのような関連はなかった（ハザード比 1.21）．

1 回の 4 剤レジメンと 2 つの逐次 3 剤投与レジメンとのあいだには，HIV-1 治療成功期間に関して有意差はなかった．これらの治療戦略の中では，ジドブジン，ラミブジン，エファビレンツから成る 3 剤レジメンで治療を開始するのが最適な選択である．