March 11, 2004 Vol. 350 No. 11
男性における高プリン食,乳製品および蛋白質の摂取と痛風のリスク
Purine-Rich Foods, Dairy and Protein Intake, and the Risk of Gout in Men
H.K. Choi and Others
さまざまな高プリン食や高蛋白食の摂取が,痛風の危険因子と考えられている.同様に,乳製品の摂取が痛風の予防に役割を果す可能性のあることが,代謝研究から提起されている.われわれは,これらの食事要因と痛風の新規症例との関連性を前向きに調査した.
ベースライン時に痛風の既往がない男性 47,150 例において,危険因子と考えられる食事要因と痛風の新規症例との関係を,12 年間前向きに調べた.補助的な質問票を用いて,対象者が米国リウマチ学会(American College of Rheumatology)の痛風の調査基準を満たすかどうかを確認した.食物摂取頻度調査票を用いて,4 年ごとに食事を評価した.
12 年の研究期間中に,確定診断された新たな痛風症例を 730 例確認した.肉類摂取量に関して最小五分位群に属する男性に対し,最大五分位群に属する男性の痛風の多変量補正相対リスクは 1.41 であり(95%信頼区間 1.07~1.86;傾向性に対する P=0.02),魚介類摂取量に関する同様の比較では相対リスクは 1.51 であった(95%信頼区間 1.17~1.95;傾向性に対する P=0.02).これに対し,乳製品摂取量の増加に伴い痛風の発生率は減少した.乳製品摂取量に関して最小五分位群に属する男性に対し,最大五分位群に属する男性の多変量補正相対リスクは 0.56(95%信頼区間 0.42~0.74;傾向性に対する P<0.001)であった.プリン体を多く含む野菜の摂取量や蛋白総摂取量は,痛風リスクの上昇に関連しなかった.
肉類や魚介類のより多い摂取が痛風リスクの上昇に関連する一方,乳製品のより多い摂取はリスクの低下に関連する.プリン体を多く含む野菜や蛋白の適度な摂取は,痛風リスクの上昇に関連しない.