March 25, 2004 Vol. 350 No. 13
大量化学療法と自己幹細胞支持療法による進行性リンパ腫の初期治療
Initial Treatment of Aggressive Lymphoma with High-Dose Chemotherapy and Autologous Stem-Cell Support
N. Milpied and Others
強化化学療法と自己造血幹細胞移植の併用は,成人の播種性進行性リンパ腫に対する第一選択であるが,その有効性は不明である.
無作為試験において,大量化学療法+自己幹細胞支持療法を,シクロホスファミド,ドキソルビシン,ビンクリスチン,プレドニゾンによる標準的レジメン(CHOP)と比較した.患者は,年齢 15~60 歳で,未治療の進行性リンパ腫があり,年齢で補正した国際予後指標(International Prognostic Index)による死亡リスクが,低度,低度~中等度,または中等度~高度(すなわち有害予後因子が最大 2 つ)であった.主要転帰は,5 年の時点での無病生存率とした.
連続した患者 207 例中 197 例を無作為化した;99 例を CHOP 療法に,98 例を大量化学療法+幹細胞移植に割付けた.全体で 78%の患者が割付けられた治療を終了した.追跡期間の中央値は 4 年であった.5 年の時点での無病生存率(±SD)の推定値は,大量化学療法を受けた患者のほうが,CHOP 療法を受けた患者よりも有意に高かった(55±5% 対 37±5%,P=0.037).年齢で補正した国際予後指標による死亡リスクが中等度~高度の患者では,5 年生存率は大量化学療法後のほうが CHOP 療法後よりも有意に高かった(74±6% 対 44±7%,P=0.001).
成人の播種性進行性リンパ腫に対し,自己幹細胞支持療法を併用する大量化学療法は CHOP 療法よりも優れている.