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June 10, 2004 Vol. 350 No. 24

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HIV-1 感染小児における 3 種類の抗レトロウイルス療法の比較試験
A Trial of Three Antiretroviral Regimens in HIV-1–Infected Children

K. Luzuriaga and Others

背景

小児では,CD4 T 細胞数の減少やヒト免疫不全ウイルス(HIV)疾患の進行が急速にすすむが,HIV 感染小児に対する積極的治療の効果を検討したデータはほとんどない.

方 法

3 種類の抗レトロウイルス療法の安全性,忍容性,および有効性を,多施設共同非盲検第 I/II 相試験で評価した.HIV-1 型(HIV-1)に感染した小児を,登録時の年齢に従って生後 3 ヵ月以内(早期治療)または 3 ヵ月超(遅延治療)に層別化し,3 種類の投与法のいずれかに順次割付けた.16 週までに血漿 HIV-1 RNA 量が 1,000 コピー/mL 未満に低下した場合,最長 200 週まで治療を継続した.

結 果

52 例中 32 例(62%)の乳児で,血漿 HIV-1 RNA 量が,ベースライン時の中央値 5.3 log コピー/mL(3.3~6.4 log コピー/mL)から 16 週の時点で 1,000 コピー/mL 未満に低下した.血漿 HIV-1 RNA 量が 400 コピー/mL 未満の乳児は,48 週の時点で 26 例(50%),200 週の時点で 23 例(44%)であった.intention-to-treat 解析により,スタブジン+ラミブジン+ネビラピン+ネルフィナビルの投与を受けた小児では,逆転写酵素阻害薬のみを投与された小児よりも,血漿 HIV-1 RNA 量が 400 コピー/mL 未満の小児が 48 週(83%)および 200 週(72%)の時点で有意に多かった(それぞれP=0.001,P=0.01).遅延治療群では,早期治療群よりも,200 週の時点で血漿 HIV-1 RNA 量が 400 コピー/mL 未満である小児が少なかった(30% 対 60%;P=0.03).治療に関連した有害作用はまれであった.

結 論

HIV に感染した小児を対象としたこの第 I/II 相試験では,治療開始が生後 3 ヵ月以内であることと,スタブジン+ラミブジン+ネビラピン+ネルフィナビルで治療を行うことは,長期的なウイルス抑制に関連した.HIV 感染小児に対する最適な治療開始時期と最適な投与法を検討するために,より大規模な無作為試験を行う必要がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 350 : 2471 - 80. )