関節リウマチ患者におけるリツキシマブを用いた B 細胞標的療法の有効性
Efficacy of B-Cell–Targeted Therapy with Rituximab in Patients with Rheumatoid Arthritis
J.C.W. Edwards and Others
リツキシマブの投与により B 細胞を選択的に減少させることで,関節リウマチ患者の症状が長期に改善されることが非盲検試験で示された.これらの結果を確認する目的で,無作為二重盲検対照試験を行った.
メトトレキサートによる治療の実施にもかかわらず関節リウマチの活動性が高い患者 161 例を,4 種類の治療法のうち 1 つに無作為に割り付けた.4 種類の治療法は,経口メトトレキサート(≧10 mg/週)(対照群),リツキシマブ(1 日目と 15 日目に 1,000 mg),リツキシマブ+シクロホスファミド(3 日目と 17 日目に 750 mg),リツキシマブ+メトトレキサートであった.反応は,米国リウマチ学会(American College of Rheumatology; ACR)と欧州リウマチ学会(European League against Rheumatism; EULAR)の基準により,24 週目(主要解析)と 48 週目(探索的解析)に評価した.
24 週の時点で,リウマチの症状が ACR 基準で 50%改善した(主要エンドポイント)患者の割合は,メトトレキサート単独(13%)よりも,リツキシマブ+メトトレキサート併用(43%,P=0.005)およびリツキシマブ+シクロホスファミド併用(41%,P=0.005)で有意に高かった.リツキシマブで治療を受けた群ではいずれも,対照群と比較して,ACR 基準で 症状が20%改善した患者の割合(65~76% 対 38%,P≦0.025)や EULAR 基準による改善を示した患者の割合(83~85% 対 50%,P≦0.004)が有意に高かった.リツキシマブ+メトトレキサート群では,すべての ACR 基準による改善が 48 週目まで持続した.有害事象の大多数は,リツキシマブの初回投与に伴って発生した.24 週目までに,対照群患者 1 例(2.5%)とリツキシマブ群患者 4 例(3.3%)で重篤な感染症が発生した.末梢血中の免疫グロブリン濃度は正常範囲内であった.
メトトレキサートによる治療にもかかわらず関節リウマチの活動性が高い患者において,リツキシマブを単独で,あるいはシクロホスファミドとの併用,もしくはメトトレキサートを継続したままで 2 回投与する 1 クールの治療により,24 週と 48 週の両方の時点でリウマチ症状の有意な改善が得られた.