The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 29, 2004 Vol. 350 No. 5

滲出性収縮性心膜炎
Effusive-Constrictive Pericarditis

J. Sagrista-Sauleda and Others

背景

滲出性収縮性心膜炎は,緊張性の心膜液貯留により引き起される心タンポナーデと,臓側心膜により引き起される緊縮の随伴を特徴とする,まれな心嚢症候群である.われわれは,その臨床経過と管理に関する前向き研究を実施した.

方 法

1986~2001 年まで,滲出性収縮性心膜炎の患者全例を前向きに評価した.すべての患者に心膜穿刺術と心臓カテーテル法を実施し,緊縮が持続する患者には心膜切除術を実施した.追跡期間は,1 ヵ月~15 年であった(中央値 7 年).

結 果

計 1,184 例の心膜炎患者を評価したところ,218 例が心タンポナーデであった.これら 218 例のうち,190 例に心膜穿刺術と心臓カテーテル法を実施した.これらの患者のうち 15 例が滲出性収縮性心膜炎であり,研究に組み入れた.すべての患者が臨床的に心タンポナーデの症状を示した.しかし,随伴する緊縮は 7 例の患者にしか認められなかった.心臓カテーテル時,患者全例で心膜腔内圧が上昇しており(中央値 12 mmHg;四分位範囲 7~18),右房圧と拡張末期の右室圧および左室圧も上昇していた.心膜穿刺術後,心膜腔内圧は低下した(中央値 -5 mmHg;四分位範囲 -5~0).一方,右房圧と拡張末期の右室圧および左室圧に関しては,低下したものの依然として高値で,dip and plateau 型を示していた.その原因はさまざまで,死亡は主に基礎疾患と関連していた.心膜切除術は患者 7 例で必要であり,全例で臓側心膜の関与がみられた.患者 3 例では自然に消失した.

結 論

滲出性収縮性心膜炎は,心タンポナーデを呈している患者の一部でみられ,見逃される可能性のあるまれな心嚢症候群である.持続する緊縮へと進展する頻度は高いが,特発症例では自然消失する場合もある.われわれの見解では,広範な心外膜切除術が,手術が必要な患者で選択すべき治療法である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 350 : 469 - 75. )