The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

September 23, 2004 Vol. 351 No. 13

慢性腎疾患と死亡,心血管イベント,および入院のリスク
Chronic Kidney Disease and the Risks of Death, Cardiovascular Events, and Hospitalization

A.S. Go and Others

背景

末期腎疾患により,死亡,心血管疾患,専門医療の利用のリスクが大幅に上昇するが,それほど重症ではない腎機能障害がこれらの転帰に及ぼす影響はあまり明らかにされていない.

方 法

大規模な統合医療提供制度に加入しており,1996~2000 年に血清クレアチニン値の測定を受け,血液透析や腎移植を受けていない成人 1,120,295 人を対象に,糸球体濾過率(GFR)を長期的に推定した.推定 GFR と,死亡,心血管イベント,入院のリスクとのあいだの多変量相関について検討した.

結 果

追跡期間の中央値は 2.84 年,平均年齢は 52 歳,対象集団の 55%が女性であった.補正後,GFR が 60 mL/分/体表面積 1.73 m2 未満になると,死亡リスクが増加した.すなわち補正後の死亡ハザード比は,推定 GFR が 45~59 mL/分/1.73 m2 では 1.2(95%信頼区間 1.1~1.2),推定 GFR が 30~44 mL/分/1.73 m2 では 1.8(95%信頼区間 1.7~1.9),推定 GFR が15~29 mL/分/1.73 m2 では 3.2(95%信頼区間 3.1~3.4),推定 GFR が 15 mL/分/1.73 m2 未満では 5.9(95%信頼区間 5.4~6.5)であった.心血管イベントの補正ハザード比も推定 GFR の低下に伴い増加し,それぞれ 1.4(95%信頼区間 1.4~1.5),2.0(95%信頼区間 1.9~2.1),2.8(95%信頼区間 2.6~2.9),3.4(95%信頼区間 3.1~3.8)であった.入院の補正リスクも,推定 GFR の低下に伴い同様のパターンを示した.

結 論

大規模な地域ベースの集団において,推定 GFR の低下と,死亡,心血管イベント,入院のリスクとのあいだに,独立した段階的な相関性がみられた.これらの知見は,慢性腎不全の臨床上・公衆衛生上の重要性を強調するものである.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 1296 - 305. )