September 23, 2004 Vol. 351 No. 13
2004 年大統領選挙における医療
Health Care in the 2004 Presidential Election
R.J. Blendon and Others
有権者にとって,2004 年大統領選挙における問題として医療がどの程度重要か,その重要度が過去の大統領選挙と比較してどの程度類似しているのか,そして,選挙の数ヵ月前に,有権者はどの医療問題をもっとも重要と考えているのかについて,調査を行った.
22 件の全米世論調査のデータを検討した.このうち 9 件は 2004 年の大統領選挙運動中に電話調査として行い,10 件は過去 3 回の大統領選挙中に電話調査として行った.また,3 件は有権者に対する全米出口調査として行った.
有権者は,2004 年の大統領選挙で投票を決めるに当り,医療を 4 番目に重要な問題と位置付けた.有権者にとって重要な医療問題は,医療と処方薬にかかる費用,そして高齢者,保険未加入者,メディケア受給者に対する処方薬費用給付制度であった.また,バイオテロと中絶も有権者にとって重要な問題であった.医療問題にもっとも懸念を抱いている有権者は,高齢者と民主党支持者であった.有権者にとって重要度の低い 4 つの問題は,医療における人種格差,発展途上国におけるヒト免疫不全ウイルス感染と後天性免疫不全症候群の予防および治療に対する支援,医療過誤,医療の質であった.
医療の重要度は,有権者のあいだでは他のほとんどの国内問題よりも高い位置にあるが,大統領選挙で投票を決めるに当っては 4 番目にすぎない.もっとも関心の高い医療問題は,医療と健康保険の費用の妥当性である.医療問題は,2004 年の大統領選挙において決定的な役割を果すようにはみえないが,選挙が接戦の場合,一部の無党派層の多い州では選挙結果を左右する可能性がある.