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December 30, 2004 Vol. 351 No. 27

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血管の待機的大手術の前に行う冠動脈血行再建
Coronary-Artery Revascularization before Elective Major Vascular Surgery

E.O. McFalls and Others

背景

血管の待機的大手術の前に行う冠動脈血行再建の利益は明らかでない.

方 法

周術期の心臓合併症および臨床的に重要な冠動脈疾患のリスクが上昇している患者を,血管の待機的大手術の前に血行再建を行う群,または行わない群に無作為に割付けた.主要エンドポイントは長期死亡率とした.

結 果

18 ヵ所の退役軍人医療センターにおいて,血管手術が予定されていた患者 5,859 例のうち,510 例(9%)が試験の適格患者であった.これらの患者を,術前に冠動脈血行再建術を行う群,または行わない群に無作為に割付けた.血管手術の適応は,腹部大動脈瘤の拡大(33%)または脚部の動脈閉塞性疾患(67%)とした.術前に冠動脈血行再建術を行った患者のうち,59%で経皮的冠動脈インターベンション,41%でバイパス手術を実施した.無作為化から血管手術までの期間の中央値は,血行再建術を行った群で 54 日,行わなかった群で 18 日であった(P<0.001).無作為化から 2.7 年後の時点での死亡率は,血行再建術を行った群で 22%,行わなかった群で 23%であった(相対リスク 0.98,95%信頼区間 0.70~1.37,P=0.92).血管手術後 30 日以内に,トロポニン値の上昇で定義した術後の心筋梗塞が,血行再建術を行った群の 12%,行わなかった群の 14%に発生した(P=0.37).

結 論

血管の待機的手術の前に行う冠動脈血行再建により,長期転帰は有意に変化しない.これらのデータを踏まえると,心臓症状が安定している患者では,血管の待機的手術の前に冠動脈血行再建を行う方針は推奨できない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 2795 - 804. )