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December 30, 2004 Vol. 351 No. 27

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血管新生型加齢黄斑変性に対するペガプタニブ
Pegaptanib for Neovascular Age-Related Macular Degeneration

E.S. Gragoudas and Others

背景

抗血管内皮増殖因子療法で使用されるペガプタニブ(pegaptanib)を,血管新生型加齢黄斑変性の治療において評価した.

方 法

幅広い組み入れ基準を用い,前向き無作為二重盲検の複数用量比較臨床試験を,多施設共同で 2 つ並行して実施した.患者ごとに,一方の目に対し,ペガプタニブ(0.3 mg,1.0 mg,3.0 mg のいずれかの用量)を硝子体内注入で投与するか,偽注入を,6 週に 1 回,48 週間実施した.主要エンドポイントは,54 週の時点で視力低下が 15 文字未満の患者の割合とした.

結 果

主要エンドポイントの複合解析(患者計 1,186 例)において,ペガプタニブの 3 用量すべてで有効性が示された(偽注入との比較で,0.3 mg は P<0.001;1.0 mg は P<0.001;3.0 mg は P=0.03).用量‐反応関係はみられなかった.視力の低下が 15 文字未満であった患者は,ペガプタニブ 0.3 mg 投与群では 70%であったのに対し,対照群では 55%であった(P<0.001).重度の視力低下(30 文字以上の低下)のリスクは,偽注入群では 22%であったのに対し,ペガプタニブ 0.3 mg 投与群では 10%に減少した(P<0.001).ペガプタニブ(0.3 mg)投与患者では,偽注入患者と比較して,より多くの患者で視力が維持または回復した(33% 対 23%,P=0.003).試験薬による治療開始後早くも 6 週の時点で,またその後のあらゆる時点で,ペガプタニブ 0.3 mg 投与患者群の平均視力は,偽注入患者群よりも良好であった(P<0.002).発生した有害事象のうち,眼内炎(患者の 1.3%),水晶体外傷(0.7%),網膜剥離(0.6%)がもっとも重篤であり注意を要した.これらの事象は,患者の 0.1%において,重度の視力低下と関連していた.

結 論

ペガプタニブは,血管新生型加齢黄斑変性に対する有効な治療法であると考えられる.その長期的安全性は明らかではない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 2805 - 16. )