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July 29, 2004 Vol. 351 No. 5

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家族性素因または遺伝的素因を有する女性の乳癌スクリーニングにおける MRI とマンモグラフィの有効性
Efficacy of MRI and Mammography for Breast-Cancer Screening in Women with a Familial or Genetic Predisposition

M. Kriege and Others

背景

乳癌の遺伝的素因や家族性素因を有する女性において,乳癌を定期的に監視することの有用性は,いまのところ立証されていない.われわれは,このような高リスク女性のスクリーニングにおける,磁気共鳴画像法(MRI)の有用性をマンモグラフィと比較した.

方 法

乳癌の累積生涯リスクが 15%以上の女性を,6 ヵ月ごとの乳房視触診および 1 年ごとのマンモグラフィと MRI でスクリーニングし,それぞれ独立して読影した.検出された癌の特徴を,年齢をマッチさせた 2 つの異なる対照群における癌の特徴と比較した.

結 果

生殖細胞系変異の保因者 358 例を含む,適格女性 1,909 例をスクリーニングした.中央値 2.9 年の追跡期間中に,51 個の腫瘍(浸潤性癌 44 個,非浸潤性乳管癌 6 個,リンパ腫 1 個)と 1 個の非浸潤性小葉癌が検出された.浸潤性乳癌の検出に関して,乳房視触診,マンモグラフィ,MRI の感度はそれぞれ 17.9%,33.3%,79.5%,特異度は 98.1%,95.0%,89.8%であった.MRI の全般的な識別能は,マンモグラフィよりも有意に優れていた(P<0.05).直径が 10 mm 以下の浸潤性癌の割合は,研究群(43.2%)でいずれの対照群(14.0% [P<0.001],12.5% [P=0.04])よりも有意に高かった.浸潤性癌における腋窩リンパ節転移陽性と微小転移巣を合せた発生率は,研究群で 21.4%であったのに対し,2 つの対照群では 52.4%(P< 0.001)と 56.4%(P=0.001)であった.

結 論

MRI は,乳癌に対して遺伝的感受性を有する女性において,マンモグラフィよりも腫瘍の検出感度が高いと考えられる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 427 - 37. )