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August 26, 2004 Vol. 351 No. 9

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再発性外陰・腟カンジダ症に対するフルコナゾール維持療法
Maintenance Fluconazole Therapy for Recurrent Vulvovaginal Candidiasis

J.D. Sobel and Others

背景

再発性外陰・腟カンジダ症の管理法として,有効であることが立証された安全かつ簡便な治療法は存在しない.

方 法

再発性外陰・腟カンジダ症の女性を対象として,非盲検でフルコナゾール 150 mg を 72 時間間隔で 3 回投与した.症状の寛解の得られた 387 例を,フルコナゾール(150 mg)またはプラセボのいずれかを週 1 回 6 ヵ月投与する群に無作為に割付け,その後 6 ヵ月間治療を行わず経過を観察した.主要転帰指標は,最初の 6 ヵ月が終了した時点で臨床的寛解にある女性の割合とした.二次的な有効性指標は,12 ヵ月の時点での臨床転帰,腟の真菌感染状態,Kaplan-Meier 分析に基づいた再発までの時間とした.

結 果

フルコナゾールの週 1 回の投与は,症候性の外陰・腟カンジダ症の予防に有効であった.6,9,12 ヵ月の時点で無病状態を維持していた女性の割合は,フルコナゾール群でそれぞれ 90.8%,73.2%,42.9%であったのに対し,プラセボ群ではそれぞれ 35.9%,27.8%,21.9%であった(P<0.001).臨床症状の再発までの時間の中央値は,フルコナゾール群で10.2 ヵ月であったのに対し,プラセボ群では 4.0 ヵ月であった(P<0.001).Candida albicans 分離株のフルコナゾール耐性や,C. glabrata との重複感染を示す所見はなかった.患者 1 例では,頭痛のためフルコナゾール投与を中止した.

結 論

週 1 回のフルコナゾール投与による長期治療で,症候性の外陰・腟カンジダ症の再発率を低下させることができる.しかし,長期治癒を達成するのは依然として困難である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 876 - 83. )