The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

April 14, 2005 Vol. 352 No. 15

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

軽症持続型喘息に対するコルチコステロイドの連日投与と頓用の比較
Daily versus As-Needed Corticosteroids for Mild Persistent Asthma

H.A. Boushey and Others

背景

軽症持続型喘息患者に対して,ガイドラインでは薬剤の連日投与を推奨しているが,処方パターンをみると,患者の大半がいわゆるコントローラー(長期管理薬)治療を間欠的に行っていることが示唆される.軽症持続型喘息患者を対象に,症状に基づいた計画のもとで実施する間欠的短期コルチコステロイド治療の有効性について,この治療法を単独で行った場合と,ブデソニドの吸入投与またはザフィルルカストの経口投与のいずれかを連日行う治療法に追加した場合とで,1 年間にわたって評価した.

方 法

二重盲検試験で,成人 225 例を無作為化した.主要転帰は朝の最大呼気流量(PEF)とした.その他の転帰は,気管支拡張薬治療前後の 1 秒量(FEV1),症状が悪化した頻度,喘息管理の程度,無症状日数,QOL とした.

結 果

3 つの治療群で,朝の PEF の上昇(7.1~8.3%,約 32 L/分,P=0.90)と喘息の悪化した割合(P=0.24)は同程度であったが,間欠的治療群でブデソニドの投与を受けたのは,平均で年間わずか 0.5 週であった.ブデソニドの連日投与は,間欠的治療またはザフィルルカストの連日投与に比べて,気管支拡張薬を使用する前の FEV1(P=0.005),気管支反応性(P<0.001),喀痰中の好酸球の比率(P=0.007),呼気中の一酸化窒素濃度(P=0.006),喘息管理スコア(P<0.001),無症状日数(P=0.03)の改善に関して優れていたが,気管支拡張薬使用後の FEV1(P=0.29)と QOL(P=0.18)の改善については優れていなかった.ザフィルルカストの連日投与と間欠的治療とでは,すべての転帰指標において有意差はみられなかった.

結 論

軽症持続型喘息は,症状が悪化した場合には,コルチコステロイドの吸入または経口投与を短期間で間欠的に行うことで治療できる可能性があると考えられる.この新しい治療法を推奨すべきかどうかを決定するには,さらに研究を行う必要がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 352 : 1519 - 28. )