The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

May 12, 2005 Vol. 352 No. 19

ヒト血液中の骨芽細胞系の細胞
Circulating Osteoblast-Lineage Cells in Humans

G.Z. Eghbali-Fatourechi and Others

背景

現在のエビデンスでは,骨芽細胞系の細胞は,末梢血中にごくわずかしか存在しないとされている.しかしわれわれは,この細胞は血中に存在するものの,濃度の測定にはプラスチックへの接着が必要なアッセイ法が使われるため,かなり過小評価されてきたのではないかという仮説を立てた.さらに,この細胞の濃度は,思春期の成長期のような,骨形成が増大している時期には上昇していると推測した.

方 法

骨に特異的な蛋白に対する抗体を用いたフローサイトメトリーにより,青年期の男児 11 例と成人男性 11 例(平均 [±SD] 年齢,14.5±0.7 歳 対 37.7±7.6 歳)において循環血中の骨芽細胞系の細胞を同定した.遺伝子発現および in vitroin vivo での骨形成アッセイにより,得られた細胞が骨芽細胞系であることを確認した.

結 果

成人被験者の末梢血中に,オステオカルシン陽性の細胞と骨特異的アルカリフォスファターゼ陽性の細胞が認められた(単核細胞の 1~2%).オステオカルシン陽性細胞は,思春期男児(骨形成マーカーが思春期の成長により明らかに上昇)の循環血中には,成人被験者と比較して 5 倍以上多く存在した(P<0.001).オステオカルシン陽性細胞の割合は,骨形成マーカーと相関した.分離したオステオカルシン陽性細胞は骨芽細胞遺伝子を発現し,in vitro で石灰化した結節を形成し,in vivo 移植アッセイで骨を形成した.最近骨折した成人 3 例でも数値の上昇がみられた.

結 論

血中には,骨形成マーカーと相関する,生理学的に意味のある数の骨芽細胞系の細胞が存在し,思春期の成長期には顕著に増加する.したがって,骨芽細胞系の細胞は,骨形成過程のこれまで認識されていなかった血液成分である可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 352 : 1959 - 66. )