The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

June 9, 2005 Vol. 352 No. 23

多巣性甲状腺乳頭癌の腫瘍巣にみられるクローンの起源の独立性
Independent Clonal Origins of Distinct Tumor Foci in Multifocal Papillary Thyroid Carcinoma

T.M. Shattuck and Others

背景

甲状腺乳頭癌では,病巣が多発することが多い.われわれは,近接しない腫瘍巣は,単一の原発腫瘍が甲状腺内で転移することで生じるのか,あるいはそれぞれ独立した前駆細胞に由来する別のクローンとして発生するのかを検討した.

方 法

ヒトアンドロゲン受容体遺伝子(HUMARA)を含むポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法により,17 例の女性から採取した高分化多巣性甲状腺乳頭癌の複数の異なる病巣において,X 染色体不活性化のパターンを解析した.

結 果

17 例中 10 例の複数の甲状腺腫瘍巣から,良質の DNA が得られた.これらは HUMARA 多型に対するヘテロ接合性を示しており,解析に適していた.各病巣では片方の X 染色体が不活性化されており,このことから単クローン性が示された.各患者の個別の腫瘍巣に特有の単クローン性のパターンを比較したところ,5 例の腫瘍で,独立した起源を示唆する不均一なパターンが観察された.残り 5 例の結果は,クローンの起源が共通しているとも独立しているとも考えられるものであった.

結 論

多巣性甲状腺乳頭癌患者において,個々の腫瘍巣はしばしば独立した腫瘍として発生する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 352 : 2406 - 12. )