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日本語アブストラクト

November 10, 2005 Vol. 353 No. 19

中枢型睡眠時無呼吸と心不全に対する持続気道陽圧療法
Continuous Positive Airway Pressure for Central Sleep Apnea and Heart Failure

T.D. Bradley and Others

背景

カナダ中枢型睡眠時無呼吸および心不全患者に対する持続気道陽圧療法試験(the Canadian Continuous Positive Airway Pressure for Patients with Central Sleep Apnea and Heart Failure trial)において,中枢型睡眠時無呼吸と心不全を合併する患者の生存率は,持続気道陽圧療法(CPAP)により,心臓移植を行うことなく改善されるという仮説を検証した.

方 法

内科的治療を最適化したあと,心不全(駆出率 24.5±7.7%)および中枢型睡眠時無呼吸(睡眠 1 時間当りの無呼吸・低呼吸の回数,40±16 回)を呈する患者 258 例(平均年齢 [±SD] 63±10 歳)を,CPAP を行う群(128 例)または CPAP を行わない群(130 例)に無作為に割付け,平均 2 年間追跡した.追跡期間中には睡眠検査を行い,駆出率,運動耐容能,QOL,神経ホルモンを測定した.

結 果

無作為化から 3 ヵ月後,CPAP 群は対照群に比べ,無呼吸・低呼吸の回数(1 時間当り -21±16 回 対 -2±18 回,P<0.001)とノルエピネフリン値(-1.03±1.84 nmol/L 対 0.02±0.99 nmol/L,P=0.009)が低下し,平均夜間酸素飽和度(1.6±2.8% 対 0.4±2.5%,P<0.001),駆出率(2.2±5.4% 対 0.4±5.3%,P=0.02),6 分間歩行距離(20.0±55 m 対 -0.8±64.8 m,P=0.016)が増加した.入院回数,QOL,心房性ナトリウム利尿ペプチド値については,対照群と CPAP 群のあいだに差はなかった.心臓移植を行わない場合の生存率は,早期には対照群のほうが高かったが,18 ヵ月後には CPAP 群のほうが高かった.しかし,イベントの総発生率(死亡と心臓移植)には差がなかった(32 件 対 32 件,P=0.54)

結 論

CPAP によって,中枢型睡眠時無呼吸の軽減,夜間酸素飽和度の改善,駆出率の上昇,ノルエピネフリン値の低下,6 分間歩行距離の延長がみられたものの,生存率には影響がなかった.今回のデータでは,中枢型睡眠時無呼吸と心不全を合併する患者の延命を目的とした CPAP の使用は支持されない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 353 : 2025 - 33. )