The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

December 8, 2005 Vol. 353 No. 23

Clostridium difficile 関連下痢症の多施設集団発生
A Predominantly Clonal Multi-Institutional Outbreak of Clostridium difficile-Associated Diarrhea with High Morbidity and Mortality

V.G. Loo and Others

背景

2003 年 3 月にカナダ・ケベック州の病院数ヵ所で,Clostridium difficile 関連下痢症の発生が著しく増加したことが確認された.

方 法

2004 年にケベック州の 12 ヵ所の病院において,C. difficile 関連下痢症の院内発生率とその合併症に関する前向き研究,およびこの疾患に関する危険因子を特定する症例対照研究を実施した.パルスフィールドゲル電気泳動により C. difficile 分離菌の型別を行い,binary toxin 遺伝子と,毒素 A,B の抑制遺伝子である tcdC の部分欠失について分析した.分離菌のサブグループにおいて,抗菌薬に対する感受性を評価した.

結 果

計 1,703 例の患者において,院内で発生した C. difficile 関連下痢症 1,719 件を確認した.発生率は入院 1,000 件当り 22.5 件であった.C. difficile 関連下痢症が原因の 30 日死亡率は 6.9%であった.患者は,マッチさせた対照者よりも,フルオロキノロン系抗菌薬(オッズ比 3.9,95%信頼区間 2.3~6.6)またはセファロスポリン系抗菌薬(オッズ比 3.8,95%信頼区間 2.2~6.6)の投与を受けていることが多かった.フルオロキノロン系抗菌薬に耐性を示す主要な菌株は,分離株 157 株中 129 株(82.2%)にみられ,binary toxin 遺伝子と tcdC 遺伝子の部分欠失は 132 株(84.1%)にみられた.

結 論

フルオロキノロン系抗菌薬に耐性を示し,binary toxin と tcdC 遺伝子の部分欠失を有する C. difficile の菌株が,この C. difficile 関連下痢症の集団発生の原因であった.フルオロキノロン系抗菌薬またはセファロスポリン系抗菌薬への曝露が,危険因子の 1 つであった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 353 : 2442 - 9. )