The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

December 29, 2005 Vol. 353 No. 26

急性心筋梗塞に対する血栓溶解療法不成功後の緊急血管形成術
Rescue Angioplasty after Failed Thrombolytic Therapy for Acute Myocardial Infarction

A.H. Gershlick and Others

背景

心筋梗塞に対する血栓溶解療法後,血流が再開しなかった患者に対する適切な治療法については,依然明らかにされていない.そのような患者において緊急経皮的冠動脈インターベンション(緊急 PCI)と保存的治療とを比較したデータはほとんどなく,緊急 PCI と反復的血栓溶解療法とを比較したデータはまったくない.

方 法

英国で,血栓溶解療法後 90 分以内に血流が再開しなかった(ST 上昇の改善が 50%未満)ST 上昇型心筋梗塞患者 427 例を対象として,多施設共同試験を実施した.患者を,反復的血栓溶解療法(142 例),保存的治療(141 例),緊急 PCI(144 例)に無作為に割付けた.主要エンドポイントは,6 ヵ月以内の,死亡,再梗塞,脳卒中,重症心不全の複合とした.

結 果

緊急 PCI 治療を受けた患者の無イベント生存率は 84.6%であり,保存的治療を受けた患者では 70.1%,反復的血栓溶解療法を受けた患者では 68.7%であった(全体の P=0.004).主要エンドポイント発生に対する補正ハザード比は,反復的血栓溶解療法と保存的治療の比較では 1.09(95%信頼区間 0.71~1.67,P=0.69),緊急 PCI と反復的血栓溶解療法の比較では 0.43(95%信頼区間 0.26~0.72,P=0.001),緊急 PCI と保存的治療の比較では 0.47(95%信頼区間 0.28~0.79,P=0.004)であった.全死因死亡率に有意差はなかった.非致死性出血,主にシース挿入部位の出血は,緊急 PCI でより多くみられた.6 ヵ月の時点で,緊急 PCI 群の 86.2%は血行再建術を必要としなかったが,保存的治療群で血行再建術を必要としなかったのは 77.6%,反復的血栓溶解療法群では 74.4%であった(全体の P=0.05).

結 論

血栓溶解療法不成功後の無イベント生存率は,反復的血栓溶解療法や保存的治療と比較して,緊急 PCI で有意に高かった.血栓溶解療法後血流が再開しなかった患者に対しては,緊急 PCI を検討すべきである.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 353 : 2758 - 68. )