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January 5, 2006 Vol. 354 No. 1

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重症ロタウイルス胃腸炎に対する弱毒化ワクチンの安全性と有効性
Safety and Efficacy of an Attenuated Vaccine against Severe Rotavirus Gastroenteritis

G.M. Ruiz-Palacios and Others

背景

G1P[8] ヒトロタウイルス(HRV)弱毒化ワクチンの安全性と有効性を,無作為化二重盲検第 3 相臨床試験で検討した.

方 法

ラテンアメリカ 11 ヵ国およびフィンランドの健康な乳児 63,225 例に対し,HRV ワクチン(31,673 例)またはプラセボ(31,552 例)を,およそ 2 ヵ月齢と 4 ヵ月齢に 2 回経口投与し,検討を行った.重症胃腸炎のエピソードは積極的サーベイランスで確認した.疾患の重症度は,20 点満点の Vesikari スケールを用いて判定した.ワクチンの有効性は,乳児 20,169 例のサブグループ(ワクチン投与群 10,159 例,プラセボ投与群 10,010 例)で評価した.

結 果

重症ロタウイルス胃腸炎およびロタウイルスに関連した入院に対するワクチンの有効性は 85%であり(プラセボとの比較で P<0.001),より重症のロタウイルス胃腸炎に対しては 100%に達した.あらゆる原因による下痢での入院は,42%減少した(95%信頼区間 29~53%,P<0.001).それぞれの投与後 31 日間に,ワクチン投与群の 6 例とプラセボ投与群の 7 例に,腸重積の診断が確定した(リスク差 -0.32/乳児 10,000 例,95%信頼区間 -2.91~2.18,P=0.78).

結 論

G1P[8] HRV 弱毒化生ワクチンを 2 回経口投与することは,重症ロタウイルス胃腸炎から乳児を守るうえできわめて有効であり,あらゆる原因による重症胃腸炎の発生率を有意に低下させた.また,ワクチンの投与は,腸重積のリスクの増加とは関連していなかった.(ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00139347,NCT00263666)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 354 : 11 - 22. )