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January 5, 2006 Vol. 354 No. 1

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5 価ヒト–ウシ(WC3 株)遺伝子再集合体ロタウイルスワクチンの安全性と有効性
Safety and Efficacy of a Pentavalent Human–Bovine (WC3) Reassortant Rotavirus Vaccine

T. Vesikari and Others

背景

ロタウイルス胃腸炎は,世界中で小児の疾患と死亡の主な原因であるが,ワクチン接種により予防できる可能性がある.

方 法

生後 6~12 週の健康な乳児を対象とし,ヒト血清型 G1,G2,G3,G4,P[8] を含む 5 価ヒト–ウシ(WC3 株)遺伝子再集合体ロタウイルス生ワクチンまたはプラセボを,盲検下で,4~10 週間隔で 3 回経口投与する群に無作為に割付けた.積極的サーベイランスを実施し,ロタウイルス胃腸炎に関連して入院および救急部を受診した被験者と,重篤な有害事象が認められた被験者を確認した.

結 果

試験群に無作為に割付けられた乳児 69,274 例のうち,ワクチン群 34,035 例とプラセボ群 34,003 例について,重篤な有害事象を観察した.初回投与から 1 年以内に,ワクチン群の 12 例とプラセボ群の 15 例で腸重積が認められた.いずれかの回の投与で,投与後 42 日以内に腸重積が認められたのは,ワクチン群の 6 例とプラセボ群の 5 例であった(相対リスク 1.6,95%信頼区間 0.4~6.4).3 回の連続したワクチン投与終了から 14 日以上経過後に,ロタウイルス血清型 G1,G2,G3,G4 いずれかの胃腸炎に関連する入院および救急部の受診が,94.5%減少した(95%信頼区間 91.2~96.6%).また,このワクチンにより,G1,G2,G3,G4 型のロタウイルス胃腸炎による受診が 86.0%減少した(95%信頼区間 73.9~92.5%).

結 論

腸重積のリスクは,ワクチン群とプラセボ群で同等であった.(ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00090233)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 354 : 23 - 33. )