March 16, 2006 Vol. 354 No. 11
胚盤胞期および卵割期の単一胚による体外受精の比較
In Vitro Fertilization with Single Blastocyst-Stage versus Single Cleavage-Stage Embryos
E.G. Papanikolaou and Others
36 歳未満の女性に体外受精を行う場合は,多胎妊娠率を減らすために,単一胚移植が推奨されている.われわれは,卵割期(第 3 日)の単一胚移植を受ける女性と胚盤胞期(第 5 日)の単一胚移植を受ける女性とで,妊娠率と出産率に差があるかどうかを明らかにするために,前向き無作為化対照試験をデザインした.
36 歳未満の不妊女性 351 例を,卵割期の単一胚(176 例)または胚盤胞期の単一胚(175 例)の移植を受ける群に無作為に割付け,検討を行った.性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗薬とリコンビナント卵胞刺激ホルモンの併用投与により,多嚢胞性卵巣の刺激を行った.
予定していた中間解析(計画患者数の 50%が含まれた)で,単一胚盤胞期胚移植を受けた女性の妊娠率が高い(P=0.02)ことが明らかになったため,試験を早期に終了した.この群では,単一卵割期胚移植を受けた群と比較して,出産率も有意に高かった(32.0% 対 21.6%,相対リスク 1.48,95%信頼区間 1.04~2.11).多子出産は 2 例認められ,両例とも一卵性双生児で,いずれも単一卵割期胚移植を受けた群であった.
これらの結果は,36 歳未満の不妊女性において,胚盤胞期(第 5 日)の単一胚移植を支持するものである.