The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

March 30, 2006 Vol. 354 No. 13

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

連邦政府職員に対する行動医療保険の同等化
Behavioral Health Insurance Parity for Federal Employees

H.H. Goldman and Others

背景

精神衛生・薬物乱用診療の保険適用範囲を改善するため,連邦政府職員医療給付(FEHB)プログラムは,2001 年 1 月から,精神衛生・薬物乱用に対して一般医療給付金と同等の保険給付を開始した.このプランには,マネージド・ケア方式を導入することが推奨された.

方 法

1999~2002 年の 7 つの FEHB プランを,精神衛生や薬物乱用に対する給付と同等の給付(精神衛生・薬物乱用に対する給付の同等化)を実施していない,マッチさせた医療プランと比較した.difference-in-differences 法による解析で精神衛生・薬物乱用診療の利用者における利用率,総支出,自己負担を調べることにより,マッチさせた FEHB と対照プランで請求パターンを比較した.

結 果

difference-in-differences 解析で,同等化政策実施後にみられた精神衛生・薬物乱用診療利用率の上昇は,そのほとんどが,FEHB プランと対照プランで共にみられた利用率の全般的な上昇傾向によるものであることが示された.同等化の実施は,1 つのプランでは利用率の統計学的に有意な上昇(+0.78%,P<0.05),1 つのプランでは利用率の有意な低下(-0.96%,P<0.05)に関連していたが,それ以外の 5 つのプランでは利用率に有意差はみられなかった(範囲,-0.38%~+0.23%;それぞれの比較について P>0.05).精神衛生・薬物乱用診療を利用した受給者にとって,支出は同等化の実施により 3 つのプランで有意に減少したが(範囲,-201.99 ドル~-68.97 ドル;それぞれの比較について P<0.05),4 つのプランでは有意な変化はなかった(範囲,-42.13 ドル~+27.11 ドル;それぞれの比較について P>0.05).同等化の実施は,7 つのプラン中 5 つのプランで自己負担の有意な減少に関連していた.

結 論

医療管理(マネージド・ケア)に加え,行動医療に対する保健給付金の同等化を実施することで,全体の費用を増加させずに保険による保護を改善することが可能である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 354 : 1378 - 86. )