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July 6, 2006 Vol. 355 No. 1

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切除可能な胃食道癌に対する周術期化学療法と手術単独の比較
Perioperative Chemotherapy versus Surgery Alone for Resectable Gastroesophageal Cancer

D. Cunningham and Others

背景

エピルビシン,シスプラチン,フルオロウラシル静脈内投与(ECF)レジメンは,治癒不可能な局所進行胃腺癌や転移性胃腺癌の患者の生存率を改善する.手術に加え周術期に ECF レジメンを行うことで,治癒可能な胃癌患者の転帰が改善するかどうかを評価した.

方 法

胃,食道胃接合部,下部食道に切除可能な腺癌を有する患者を,周術期化学療法+手術(250 例)または手術単独(253 例)のいずれかに無作為に割付けた.化学療法は術前と術後に各 3 サイクル行い,それぞれ,第 1 日にエピルビシン(50 mg/m2 体表面積)とシスプラチン(60 mg/m2)を静脈内投与し,フルオロウラシルを 21 日間静脈内持続投与(200 mg/m2/日)した.主要エンドポイントは全生存率とした.

結 果

ECF に関連する有害作用は,進行胃癌患者ですでに報告されているものと同様であった.術後合併症の発生率は,周術期化学療法群と手術群で同程度であり(それぞれ 46%と 45%),術後 30 日以内の死亡数も同程度であった.切除した腫瘍は,周術期化学療法群で有意に小さく,進行度も低かった.中央値 4 年の追跡期間中に,周術期化学療法群の 149 例と手術群の 170 例が死亡した.周術期化学療法群では,手術群と比べて,全生存率(死亡のハザード比 0.75,95%信頼区間 0.60~0.93,P=0.009,5 年生存率 36% 対 23%)と無増悪生存率(進行のハザード比 0.66,95%信頼区間 0.53~0.81,P<0.001)が高かった.

結 論

手術可能な胃腺癌や下部食道腺癌の患者では,周術期の ECF レジメンにより腫瘍サイズと病期進行が抑制され,無増悪生存率と全生存率が有意に改善した.(Current Controlled Trials 番号:ISRCTN93793971)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 11 - 20. )