The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

October 12, 2006 Vol. 355 No. 15

糖尿病の発症率に対するラミプリルの効果
Effect of Ramipril on the Incidence of Diabetes

The DREAM Trial Investigators

背景

これまでの研究から,レニン・アンジオテンシン系を遮断することによって,心血管疾患または高血圧を有する人の糖尿病を予防できる可能性が示唆されている.

方 法

心血管疾患を認めないが,空腹時血糖値異常(8 時間の絶食後)または耐糖能異常を示す被験者 5,269 例を,2×2 要因デザインの無作為化二重盲検臨床試験に登録した.被験者を,ラミプリル(ramipril)群(最大用量 15 mg/日)とプラセボ群(ロシグリタゾン [rosiglitazone] 併用群またはプラセボ群)に無作為に割り付け,中央値 3 年間追跡調査を行った.糖尿病の発症または死亡(主要転帰)と,血糖値の正常域への回復などの副次的転帰に対する,ラミプリルの効果を検討した.

結 果

主要転帰の発生率は,ラミプリル群(18.1%)とプラセボ群(19.5%)で有意差はみられなかった(ラミプリル群に対するハザード比 0.91,95%信頼区間 [CI] 0.81~1.03,P=0.15).ラミプリル群では,プラセボ群と比較して,血糖値が正常域へ回復する割合が高かった(ハザード比 1.16,95% CI 1.07~1.27,P=0.001).試験終了時におけるラミプリル群の空腹時血糖値の中央値(102.7 mg/dL [5.70 mmol/L])は,プラセボ群(103.4 mg/dL [5.74 mmol/L])と比べて有意に低くはなかったが(P=0.07),経口ブドウ糖負荷の 2 時間血糖値は,ラミプリル群で有意に低かった(135.1 mg/dL [7.50 mmol/L] 対 140.5 mg/dL [7.80 mmol/L],P=0.01).

結 論

空腹時血糖値異常または耐糖能異常を示す人において,3 年間のラミプリル投与により,糖尿病と死亡の発生率は有意には低下しなかったが,血糖値が正常域へ回復する割合は有意に増加した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00095654)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 1551 - 62. )