The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

October 12, 2006 Vol. 355 No. 15

小児癌の成人生存者における長期的な健康状態
Chronic Health Conditions in Adult Survivors of Childhood Cancer

K.C. Oeffinger and Others

背景

小児癌治療後の長期的な健康状態の評価は,ごく少数の小規模研究でしか行われていない.われわれは,成人生存者において,慢性疾患の罹患率と重症度について検討した.

方 法

小児癌生存者研究(Childhood Cancer Survivor Study)は,1970~86 年に小児癌と診断された成人の健康状態を追跡し,その兄弟姉妹の結果と比較した,後ろ向きコホート研究である.生存者 10,397 例とその兄弟姉妹 3,034 例における慢性疾患の頻度を算出した.重症度スコア(グレード 1~4,軽度~生命を脅かす疾患または障害を生ずる疾患)を各病態に割り当てた.Cox 比例ハザードモデルを用いて慢性疾患に関するハザード比を推定し,相対リスクと 95%信頼区間(CI)として報告した.

結 果

研究実施時の生存者とその兄弟姉妹の平均年齢は,それぞれ 26.6 歳(範囲 18.0~48.0 歳),29.2 歳(範囲 18.0~56.0 歳)であった.生存者 10,397 例のうち,62.3%が慢性疾患を少なくとも 1 つ有しており,うち 27.5%は重度または生命を脅かす疾患(グレード 3 または 4)を有していた.生存者の慢性疾患の補正相対リスクは,兄弟姉妹との比較で 3.3(95% CI 3.0~3.5)であり,重度または生命を脅かす疾患の補正相対リスクは 8.2(95% CI6.9~9.7)であった.生存者において,癌の診断から 30 年後の慢性疾患の累積罹患率は 73.4%(95% CI 69.0~77.9)に達し,重度の疾患,障害を生ずる疾患,生命を脅かす疾患または慢性疾患による死亡の累積率は,42.4%(95% CI 33.7~51.2)であった.

結 論

小児癌の生存者は,慢性的な病態による疾患の頻度が高い.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 1572 - 82. )