The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

October 26, 2006 Vol. 355 No. 17

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

CT 検診で病期 I 期の肺癌が検出された患者の生存率
Survival of Patients with Stage I Lung Cancer Detected on CT Screening

The International Early Lung Cancer Action Program Investigators

背景

ヘリカル CT を用いた年 1 回の検診で,臨床病期 I 期の癌が発見された患者の転帰は不明である.

方 法

大規模共同研究を実施し,1993~2005 年に,肺癌リスクのある無症状の被験者 31,567 例を対象に,低線量 CT を用いて検診を行った.また,1994~2005 年に,27,456 例に対し,前回の検診から 7~18 ヵ月後に再度検診を行った.CT 検診で臨床病期 I 期の肺癌が検出され,生検で確認された被験者において,受けた治療の種類にかかわらず肺癌特異的 10 年生存率を推定した.また,1 ヵ月以内に臨床病期 I 期の癌の外科的切除を受けた被験者についても,肺癌特異的 10 年生存率を推定した.病理判定委員会が,切除を受けた被験者の手術標本を精査した.

結 果

検診で,484 例が肺癌と診断された.これらの被験者のうち,412 例(85%)が臨床病期 I 期の肺癌であり,このサブグループの 10 年生存率の推定値は 88%であった(95%信頼区間 [CI] 84~91).臨床病期 I 期の癌が検出され,診断後 1 ヵ月以内に外科的切除を受けた 302 例では,10 年生存率の推定値は 92%であった(95% CI 88~95).臨床病期 I 期の癌が検出され,治療を受けなかった 8 例は,診断後 5 年以内に死亡した.

結 論

ヘリカル CT を用いた年 1 回の検診により,治癒可能な肺癌を検出することができる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 1763 - 71. )