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July 6, 2006 Vol. 355 No. 1

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幼児の十分に認識されていないインフルエンザの負荷
The Underrecgnized Burden of Influenza in Young Children

K.A. Poehling and Others

背景

小児におけるインフルエンザ感染の疾病負荷については,十分に明らかにされていない.臨床検査で確認されたインフルエンザに関連した受診について,集団ベースのサーベイランスを実施した.

方 法

適格例は,年齢 5 歳未満で,米国内の 3 郡に在住し,急性上気道感染または発熱で受診した小児とした.鼻腔・咽頭ぬぐい液を採取し,ウイルス培養および PCR 法でインフルエンザウイルスを検査した.保護者への調査とカルテの調査を行って疫学的データを収集した.2000~04 年に,入院した小児を前向きに登録した.インフルエンザによる入院率を集団ベースで算出した.2 回のインフルエンザ流行期(2002~03 年および 2003~04 年)に,指定の小児科クリニックと救急部を受診した小児を系統的に登録した.インフルエンザに関連したクリニックと救急部の受診率を推定した.

結 果

インフルエンザに関連した平均年間入院率は,小児 1,000 人当り 0.9 件であった.インフルエンザに関連した外来受診の推定負荷は,2002~03 年の流行期では,小児 1,000 人当り診療所の受診が 50 件,救急部の受診が 6 件で,2003~04 年の流行期では,小児 1,000 人当り診療所の受診が 95 件,救急部の受診が 27 件であった.臨床検査でインフルエンザが確認された小児のうち,治療医からインフルエンザと診断された小児は少数で,入院例の 28%と外来例の 17%であった.

結 論

幼児がインフルエンザに関連して外来を受診する頻度は,入院の 10~250 倍であった.臨床症状からインフルエンザ感染と診断される例は少なかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 31 - 40. )