The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

May 3, 2007 Vol. 356 No. 18

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

閉経後骨粗鬆症の治療における年 1 回のゾレドロン酸投与
Once-Yearly Zoledronic Acid for Treatment of Postmenopausal Osteoporosis

D.M. Black and Others

背景

骨粗鬆症の閉経後女性にゾレドロン酸を静脈内注射で単回投与すると,投与から 12 ヵ月目に骨代謝が低下し,骨密度が改善する.ゾレドロン酸の年 1 回の投与が骨折リスクに与える効果を,3 年間にわたって評価した.

方 法

この二重盲検プラセボ対照試験では,3,889 例(平均年齢 73 歳)を 15 分間の静脈内注射によりゾレドロン酸(5 mg)を単回投与する群,3,876 例をプラセボ群に無作為に割り付けた.投与はベースライン,12 ヵ月目,24 ヵ月目に行い,36 ヵ月間追跡した.主要エンドポイントは,骨粗鬆症治療薬の併用投与を受けていない患者における新たな椎体骨折と,すべての患者における大腿骨頸部骨折とした.副次的エンドポイントは,骨塩密度,骨代謝マーカー,安全性に関する転帰などとした.

結 果

ゾレドロン酸投与により,プラセボと比べて,3 年間における形態的な椎体骨折リスクが 70%低下し(ゾレドロン酸群 3.3% 対 プラセボ群 10.9%,相対リスク 0.30,95%信頼区間 [CI] 0.24~0.38),大腿骨頸部骨折のリスクが 41%低下した(ゾレドロン酸群 1.4% 対 プラセボ群 2.5%,ハザード比 0.59,95% CI 0.42~0.83).椎体以外の骨折,臨床的な骨折,臨床的な椎体骨折は,それぞれ 25%,33%,77%減少した(すべての比較について P<0.001).ゾレドロン酸は,骨塩密度と骨代謝マーカーの有意な改善にも関連していた.腎機能の変化などの有害事象は両群でほぼ同じであった.しかし,ゾレドロン酸群では,重度の心房細動が発現する頻度がより高かった(50 例 対 20 例,P<0.001).

結 論

ゾレドロン酸を年 1 回,3 年間にわたって投与することにより,椎体骨折,大腿骨頸部骨折,その他の骨折のリスクが有意に低下した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00049829)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 1809 - 22. )