The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

January 25, 2007 Vol. 356 No. 4

抗ミエリン抗体と多発性硬化症への進行との関連性の欠如
Lack of Association between Antimyelin Antibodies and Progression to Multiple Sclerosis

J. Kuhle and Others

背景

神経機能障害の単回エピソードがあり,多発性硬化症を示唆する脳 MRI 所見が認められた患者は,臨床的に明確な多発性硬化症のリスクが高いが,個々の患者の転帰は予測不可能である.ミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白(MOG)およびミエリン塩基性蛋白(MBP)に対する血清抗体を有する患者では,臨床的に明確な多発性硬化症への進行のリスクが増加すると報告されている.

方 法

多発性硬化症を示唆する初回臨床イベントを起し,臨床症状を示さないが脳 MRI 上で病変が 2 つ以上認められる患者 462 例を対象に,抗 MOG 抗体および抗 MBP IgG 抗体,IgM 抗体を測定した.患者は,インターフェロン β-1b による治療の多施設共同試験に参加していた.抗体はベースライン時にウエスタンブロット法で評価し,臨床的に明確な多発性硬化症への進行,または国際委員会(マクドナルド基準)に基づく多発性硬化症の診断までの時間および頻度について,結果を比較した.定期検診は,神経機能障害の評価および MRI 検査のため,治療前および治療後 3,6,9,12,18,24 ヵ月目に予定した.

結 果

抗 MOG 抗体,抗 MBP IgM 抗体,IgG 抗体の存在と,臨床的に明確な多発性硬化症への進行あるいはマクドナルド基準に基づく多発性硬化症の診断とのあいだには,コホート全体および研究集団のいずれのサブグループにおいても関連は認められなかった.

結 論

ウエスタンブロット法で検出された MOG や MBP に対する血清抗体は,多発性硬化症を示唆する臨床的に独立した症候群を有する患者において,臨床的に明確な多発性硬化症への進行のリスク増加とは関連しなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 371 - 8. )