The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

February 1, 2007 Vol. 356 No. 5

ICU 終末期患者の親族に対するコミュニケーション法と情報パンフレット
A Communication Strategy and Brochure for Relatives of Patients Dying in the ICU

A. Lautrette and Others

背景

集中治療室(ICU)の終末期患者の親族とは,密接なコミュニケーションをとる必要がある.終末期における対策的な(proactive)話し合いと情報パンフレットを用いた形式について評価し,それによって死別による影響が緩和されるかどうかを検証した.

方 法

フランスの 22 ヵ所の ICU において,終末期患者 126 例の家族を,介入群と通常の終末期の話し合いを行う群に無作為に割り付けた.患者の死亡から 90 日後に,出来事インパクト尺度(Impact of Event Scale [IES],スコア範囲 0 点 [症状なし]~75 点 [心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関連する重度の症状])および不安・抑うつ尺度(Hospital Anxiety and Depression Scale [HADS],サブスケールスコア範囲 0 点 [苦悩なし]~21 点 [最大の苦悩])を用いた電話調査を被験者に行った.

結 果

介入群における話し合いの時間は対照群よりも長く(中央値 30 分 [四分位範囲 19~45] 対 20 分 [四分位範囲 15~30],P<0.001),被験者が話した時間も長かった(中央値 14 分 [四分位範囲 8~20] 対 5 分 [四分位範囲 5~10 ]).90 日後,電話調査に応じた介入群の被験者 56 例では,対照群の被験者 52 例と比べて,IES スコアの中央値が有意に低く(27 点 対 39 点,P=0.02),PTSD 関連症状の有病率も低かった(45% 対 69%,P=0.01).HADS スコアの中央値も介入群のほうが低く(11 点 対 17 点 [対照群],P=0.004),不安と抑うつの有病率も低かった(不安,45% 対 67%;P=0.02;抑うつ,29% 対 56%;P=0.003).

結 論

ICU の終末期患者の親族に対し,死別に関する情報パンフレットを提供し,話し合いの時間や家族が話す時間を長くするなどの対策的なコミュニケーション法を実践することで,死別の負担を軽減することができる.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00331877)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 469 - 78. )