The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

February 1, 2007 Vol. 356 No. 5

病院の質の改善における情報公開と Pay for Performance
Public Reporting and Pay for Performance in Hospital Quality Improvement

P.K. Lindenauer and Others

背景

「情報公開(public reporting)」と「実績に対する支払い(pay for performance)」は,病院の医療改善をはかることを目的とするが,医療改善にインセンティブを与えるのにこれらの手段がどれだけ有効かはほとんどわかっていない.

方 法

全米情報公開イニシアティブ(national public-reporting initiative)を通して医療の質に関する情報を自主的に報告した 613 の病院(メディケア・メディケイドサービスセンター [Centers for Medicare and Medicaid Services] から資金提供を受けた検証プロジェクトに同時に参加している 207 施設を含む)において,質に関する 10 の独立した指標および 4 つの複合指標の変化を 2 年間にわたり測定した.その後,pay for performance を採用している病院と,情報公開のみを実施している 406 病院(対照群)を比較した.ベースラインの実績とそのほかに考えられる病院の特徴で補正後,多変量モデルを用いて金銭的インセンティブに起因する改善を評価した.

結 果

pay for performance を採用している病院は,心不全,急性心筋梗塞,肺炎に対する医療の指標および 10 の独立した指標の複合を含む,質に関する複合指標のすべてで,対照群よりも大きな改善を示した.ベースラインの実績は,改善と反比例の関係にあった.pay for performance を採用している病院では,10 の指標すべての複合において,ベースラインの実績が最低五分位の病院では 16.1%の改善,最高五分位の病院では 1.9%の改善を示した(P<0.001).ベースラインの実績および病院の特徴の違いによって補正後,pay for performance は,2 年間にわたり 2.6~4.1%の改善と関連していた.

結 論

情報公開と pay for performance の両方を実施している病院では,情報公開のみを実施している病院よりも,質に関してやや大きな改善が得られた.別のインセンティブによってさらに改善がみられるかどうか,また,これらのプログラムの有益性がそのコストを上回るのかどうかを判断するために,さらに研究を行う必要がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 486 - 96. )