The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

December 6, 2007 Vol. 357 No. 23

思春期の過体重と成人後の冠動脈性心疾患
Adolescent Overweight and Future Adult Coronary Heart Disease

K. Bibbins-Domingo and Others

背景

思春期の過体重が,成人になってからの冠動脈性心疾患(CHD)に及ぼす影響は明らかにされていない.

方 法

2020 年における 35 歳の肥満の有病率を,2000 年における思春期の過体重の割合,および肥満成人になる過体重思春期児に関する過去の傾向から推定した.次に,35 歳以上の米国住民の状態遷移コンピュータシミュレーションである CHD Policy Model を用いて,2020 ~35 年における 1 年あたりの CHD の発生率と有病率の超過数,CHD イベントの総超過件数,CHD による死亡および肥満に起因する CHD 以外の原因による死亡の超過件数を予測した.また,肥満に関連した血圧上昇および脂質異常症の増加に対する治療の効果についてモデル化した.

結 果

思春期の過体重は,2020 年における 35 歳の肥満の有病率を,男性では 30~37%の範囲で,女性では 34~44%の範囲で増加させると予測される.このように肥満が増加する結果,若年成人期における CHD の発生率と,CHD イベントおよび死亡の総数が増加することが予測される.この集団が中年に達するに従い,この増加は絶対的にも相対的にも続くと予測される.2035 年までに CHD の有病率は 5~16%増加し,肥満の増加に起因する CHD 症例の超過数が 10 万例を超えることが予測される.修正可能な肥満関連危険因子の改善を目的とした既存の治療法を用いた積極的治療により,今回予測した CHD イベント件数の増加は抑制されるが,消失はしないと考えられる.

結 論

25 年以上先を予測するにはきわめて多くの不確実性が伴うものの,現在のデータから推定すると,思春期の過体重は将来の若年成人および中年成人における CHD の比率を増加させ,罹患率と死亡率の増加につながることが示唆される.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 357 : 2371 - 9. )