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July 26, 2007 Vol. 357 No. 4

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転移性胚細胞腫瘍に対する大量化学療法と幹細胞移植の併用
High-Dose Chemotherapy and Stem-Cell Rescue for Metastatic Germ-Cell Tumors

L.H. Einhorn and Others

背景

転移性精巣腫瘍は,初回化学療法が奏効しなかった場合でも,救済化学療法により治癒する可能性がある.

方 法

転移性精巣腫瘍を有し,シスプラチンを含む併用化学療法後に進行した 184 例の連続した患者を対象に,後ろ向きに検討を行った.173 例には,カルボプラチン 700 mg/m2 体表面積およびエトポシド 750 mg/m2 をそれぞれ 3 日連続で投与する大量化学療法を 2 コース連続して行い,各コース後に自家末梢血造血幹細胞の輸注を行った.残りの 11 例にはこの治療を 1 コース行った.110 例には,この大量化学療法に先立ち 1~2 コースのビンブラスチン+イホスファミド+シスプラチンによる腫瘍減量を行った.

結 果

中央値 48 ヵ月(14~118 ヵ月)の追跡調査期間中に,184 例中 116 例で完全寛解が得られ,腫瘍再発はみられなかった.この治療を第 2 選択治療として受けた 135 例では 94 例で追跡調査期間中に腫瘍が消失し,第 3 選択以降の治療として受けた 49 例では 22 例で腫瘍が消失した.標準用量の白金製剤治療に反応しなかった 40 例では 18 例で腫瘍が消失し,白金製剤に感受性を示した 144 例では 98 例で腫瘍が消失した.精上皮腫を有していた 35 例のうち 26 例と,非精上皮腫性の胚細胞腫瘍を有していた 149 例のうち 90 例で腫瘍が消失した.184 例のうち,3 例が治療中に薬剤に関連して死亡した.そのほか,3 例が治療後に急性白血病を発症した.

結 論

精巣腫瘍は,大量化学療法と造血幹細胞移植の併用で治癒できる可能性があり,このことは,この治療を第 3 選択以降の治療として行った場合や,白金製剤抵抗性の疾患を有する患者に対して行った場合にも当てはまる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 357 : 340 - 8. )