April 17, 2008 Vol. 358 No. 16
乳癌の補助療法における週 1 回のパクリタキセル投与
Weekly Paclitaxel in the Adjuvant Treatment of Breast Cancer
J.A. Sparano and Others
乳癌の補助療法において,2 種類のタキサン系薬剤,ドセタキセルとパクリタキセルの週 1 回投与と 3 週ごとの投与の有効性を比較した.
腋窩リンパ節転移陽性,または高リスクでリンパ節転移陰性の乳癌女性 4,950 例を試験に組み入れた.無作為化後,全例にまずドキソルビシンとシクロホスファミドを 3 週ごとに 4 サイクル静脈内投与し,その後,パクリタキセルまたはドセタキセルを,3 週ごとに 4 サイクル静脈内投与する群と,1 週ごとに 12 サイクル静脈内投与する群に割り付けた.主要エンドポイントは無病生存率とした.
標準療法(3 週ごとのパクリタキセル投与)を受けた群と比較して,無病生存率のオッズ比は,週 1 回のパクリタキセル群で 1.27(P=0.006),3 週ごとのドセタキセル群で 1.23(P=0.02),週 1 回のドセタキセル群で 1.09(P=0.29)であった(オッズ比>1 で,実験的治療群を支持).標準療法と比較して,週 1 回のパクリタキセルは生存率の改善とも関連していた(オッズ比 1.32,P=0.01).腫瘍にヒト上皮成長因子受容体 2 型蛋白の発現がみられない患者のサブグループを対象とした探索的解析でも,ホルモン受容体の発現にかかわらず,週 1 回のパクリタキセル投与により無病生存率と全生存率に同等の改善がみられた.グレード 2,3,4 の神経障害の頻度は,週 1 回のパクリタキセル投与のほうが,3 週ごとのパクリタキセル投与よりも高かった(27% 対 20%).
ドキソルビシンとシクロホスファミドを用いた標準的補助化学療法後に,パクリタキセルを週 1 回投与することで,乳癌女性の無病生存率と全生存率が改善する.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00004125)