April 17, 2008 Vol. 358 No. 16
超未熟児に対する集中治療 ― 在胎週数以外の要因
Intensive Care for Extreme Prematurity - Moving Beyond Gestational Age
J.E. Tyson and Others
超未熟児に対して集中治療を行うかどうかの決定は,在胎週数のみに基づいて行われることが多い.しかし,これらの患児の予後には,ほかの要因も影響を及ぼしている.
米国国立小児保健発達研究所(National Institute of Child Health and Human Development)の新生児臨床研究ネットワーク(Neonatal Research Network)の医療機関で,在胎 22~25 週(最善の産科的推定に基づく)で出生した乳児 4,446 例のコホートを対象に前向き研究を行った.出生時または出生前に評価可能であった危険因子を,生存の可能性,重度の神経発達障害を伴わない生存の可能性,補正月齢 18~22 ヵ月における神経発達障害を伴わない生存の可能性と関連付けた.
対象児のうち,3,702 例(83%)が人工換気による集中治療を受けていた.18~22 ヵ月の時点で転帰を判定した 4,192 例(94%)の対象児のうち,49%が死亡し,61%が死亡したか重度の障害を有し,73%が死亡したか障害を有していた.集中治療を受けた乳児に関する多変量解析では,出生前に副腎皮質ステロイドに曝露していること,女児であること,単胎出生であること,出生体重がより重いこと(100 g 増加ごと)がそれぞれ,死亡リスク,死亡または重度の神経発達障害のリスク,死亡またはすべての神経発達障害のリスクの低下に関連していた.これらのリスクの低下は,在胎週数が 1 週延長した場合と同程度の低下であった.良好な転帰が得られる可能性が同じと推定された場合,女児のほうが男児よりも集中治療を受ける頻度が低かった.人工換気を受けた乳児の転帰の予測は,上記の要因を用いたほうが,在胎週数のみを用いた場合よりも優れていた.
集中治療を行った場合に良好な転帰が得られるかどうかは,在胎週数に加えて,出生体重,性別,出生前の副腎皮質ステロイドへの曝露の有無,単胎出生か多胎出生か,という 4 つの要因を考慮することによって,より優れた予測が可能となる.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00063063,NCT00009633)