The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 7, 2008 Vol. 358 No. 6

初回経皮的冠動脈インターベンション時の血栓吸引
Thrombus Aspiration during Primary Percutaneous Coronary Intervention

T. Svilaas and Others

背景

初回経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は,ST 上昇を伴う心筋梗塞患者の梗塞責任動脈を開通させるのに有効である.しかし,アテローム血栓の血液成分屑(debris)の塞栓は,微小血管の閉塞を引き起こし,心筋の再灌流を減少させる.

方 法

初回 PCI 時の手動吸引が従来の治療法よりも優れているかどうかを評価するため,無作為化試験を行った.冠動脈造影の施行前に,計 1,071 例の患者を,血栓吸引群と従来の PCI 群のいずれかに無作為に割り付けた.アテローム血栓物質の組織病理学的所見が認められた場合に,吸引が成功したものとみなした.血管造影と心電図における心筋再灌流の徴候,および臨床転帰を評価した.主要エンドポイントは,心筋ブラッシュスコアが 0 または 1(心筋再灌流なし,または最小限の心筋再灌流)とした.

結 果

心筋ブラッシュスコアが 0 または 1 であったのは,血栓吸引群の 17.1%と従来の PCI 群の 26.3%であった(P<0.001).ST 上昇が完全に消失したのは,それぞれ 56.6%と 44.2%であった(P<0.001).この利益は,事前に規定された共変量のベースライン値における不均一性を示すものではなかった.30 日の時点の死亡率は,心筋ブラッシュスコアが 0 または 1 の患者で 5.2%,2 の患者で2.9%,3 の患者で 1.0%であり(P=0.003),有害事象の発現率はそれぞれ 14.1%,8.8%,4.2%であった(P<0.001).組織病理学的検査により,患者の 72.9%で吸引が成功したことが確認された.

結 論

血栓吸引は,ST 上昇を伴う心筋梗塞患者の大部分に適用可能であり,ベースラインの臨床的特徴および血管造影上の特徴にかかわりなく,従来の PCI よりも優れた再灌流と臨床転帰をもたらす.(Current Controlled Trials 番号:ISRCTN16716833)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 358 : 557 - 67. )