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November 27, 2008 Vol. 359 No. 22

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異なる言語発達障害の機能遺伝学的関連
A Functional Genetic Link between Distinct Developmental Language Disorders

S.C. Vernes and Others

背景

FOXP2 転写因子に影響を及ぼすまれな変異により,単一遺伝子性の言語障害が引き起こされる.われわれは,FOXP2 の下流の神経経路が,特異的言語発達障害のようなより一般的な表現型に影響を及ぼすという仮説を立てた.

方 法

クロマチン免疫沈降法を用いて FOXP2 結合領域の遺伝子スクリーニングを行い,言語障害に強力に関与すると考えられる特定の候補遺伝子に着目した.次いで,特異的言語発達障害を有し,十分な特徴付けを行った 184 家族を対象に,この遺伝子の一塩基多型(SNP)と言語障害の関連について検討した.

結 果

CNTNAP2 は,ニューレキシンをコードし,発達中のヒト皮質で発現する遺伝子である.FOXP2 はこの CNTNAP2 に結合し,これを大幅にダウンレギュレーションすることが明らかになった.典型的な特異的言語発達障害を有する小児において CNTNAP2 の多型を解析すると,この疾患の遺伝性の行動指標である無意味語反復との有意な定量的相関が認められた(もっとも強い相関は SNP rs17236239 で,P=5.0×10-5).興味深いことに,この領域は自閉症の小児の言語発達遅滞に関連する領域と一致している.

結 論

FOXP2-CNTNAP2 経路は,言語障害に関わる臨床的に異なる症候群を,機序的に関連付けるものである.

本論文(10.1056/NEJMoa0802828)は,2008 年 11 月 5 日に www.nejm.org で発表された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 359 : 2337 - 45. )