The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

July 31, 2008 Vol. 359 No. 5

胃癌に対するリンパ節郭清は D2 郭清単独か,傍大動脈リンパ節郭清併施か?
D2 Lymphadenectomy Alone or with Para-aortic Nodal Dissection for Gastric Cancer

M. Sasako and Others

背景

東アジアでは,治癒可能な胃癌に対する標準治療は D2 リンパ節郭清を伴う胃切除術である.T2,T3,T4 の腫瘍に対し,D2 リンパ節郭清に加えて傍大動脈リンパ節郭清(para-aortic nodal dissection;PAND)を行った場合に生存率が改善するかどうかについては意見が分かれている.日本の 24 病院で,治癒可能な胃癌に対する胃切除術施行患者を対象として,D2 リンパ節郭清単独と D2 リンパ節郭清+PAND を比較するランダム化比較試験を行った.

方 法

1995 年 7 月~2001 年 4 月に,治癒可能な T2b,T3,T4 の胃癌患者 523 例を,手術時に D2 リンパ節郭清単独群(263 例),D2 リンパ節郭清+PAND 群(260 例)にランダム割付けした.全例,癌が再発するまで補助療法は受けていない.主要エンドポイントは全生存率とした.

結 果

手術関連合併症の発生は,D2 リンパ節郭清単独群 20.9%,D2 リンパ節郭清+PAND 群 28.1%に認めた(P=0.07).吻合部縫合不全,膵瘻,腹腔内膿瘍,肺炎,在院死亡率に有意な群間差は認められなかった(死亡率は各群 0.8%).D2 リンパ節郭清+PAND 群では,手術時間の中央値が 63 分長く,失血量の中央値が 230 mL 多かった.5 年全生存率は,D2 リンパ節郭清単独群で 69.2%,D2 リンパ節郭清+PAND 群で 70.3%であり,死亡のハザード比は 1.03 であった(95%信頼区間 [CI] 0.77~1.37,P=0.85).無再発生存率でも有意な群間差は認められず,再発のハザード比は 1.08 であった(95% CI 0.83~1.42,P=0.56).

結 論

D2 リンパ節郭清単独と比較して,D2 リンパ節郭清と PAND を併施しても,治癒可能な胃癌における生存率は改善しない.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00149279)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 359 : 453 - 62. )