The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

July 31, 2008 Vol. 359 No. 5

HIV 腟感染予防における硫酸セルロースゲルの有効性の欠如
Lack of Effectiveness of Cellulose Sulfate Gel for the Prevention of Vaginal HIV Transmission

L. Van Damme and Others

背景

サハラ以南のアフリカにおいて,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染または後天性免疫不全症候群(AIDS)を有する成人の 50%以上は女性である.このため,女性を主体とした HIV 予防策が早急に必要とされる.

方 法

アフリカの 3 施設およびインドの 2 施設で HIV 感染リスクの高い女性を対象とした,HIV 侵入阻害薬である腟用の硫酸セルロースゲルに関する二重盲検無作為化プラセボ対照試験を実施した.主要エンドポイントは,HIV-1 または HIV-2 への新規感染とし,副次的エンドポイントは,淋菌またはクラミジアへの新規感染とした.主要解析は,HIV 感染までの時間分布の差がない,施設ごとに層別化した log-rank 検定に基づいて行われた.

結 果

計 1,398 例の女性を登録し,硫酸セルロース群(706 例)とプラセボ群(692 例)に無作為に割り付け,HIV 検査の追跡データを取得した.HIV への新規感染は 41 例に認められ,内訳は硫酸セルロース群 25 例,プラセボ群 16 例であった.硫酸セルロース群での感染の推定ハザード比は 1.61(P=0.13)であった.この結果は有意ではなく,試験の早期中止につながった中間解析の結果(ハザード比 2.23,P=0.02)および事前に計画された二次解析(使用遵守に基づく)の示唆的な結果(ハザード比 2.18,P=0.03)とは対照的である.硫酸セルロース群ではプラセボ群と比較して,淋菌およびクラミジアへの感染リスクに対する有意な効果は認められなかった(それぞれハザード比 1.10,95%信頼区間 [CI] 0.74~1.62;ハザード比 0.71,95% CI 0.47~1.08).

結 論

硫酸セルロースでは HIV 感染は予防されず,HIV 感染リスクが高まった可能性がある.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00153777,Current Controlled Trials 番号:ISRCTN95638385)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 359 : 463 - 72. )