The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

August 7, 2008 Vol. 359 No. 6

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

広範囲薬剤耐性結核に対する包括的治療
Comprehensive Treatment of Extensively Drug-Resistant Tuberculosis

C.D. Mitnick and Others

背景

広範囲薬剤耐性結核は,資源が乏しく,結核患者が多い国々をはじめとする 45 ヵ国で報告されている.われわれは,ペルーにおいて,外来での個別化治療を受けるよう紹介された広範囲薬剤耐性結核患者における管理と治療転帰について報告する.

方 法

計 810 例の患者が,薬物治療,切除手術,有害事象の管理,栄養・心理社会的支援などを含む無料の個別化治療を紹介された.651 例の分離株について広範囲薬剤耐性結核かどうかを検査し,感染分離株が耐性を示さなかった薬剤を 5 剤以上含むレジメンを作成した.

結 果

検査を受けた 651 例のうち,48 例(7.4%)で広範囲薬剤耐性結核が認められ,残る 603 例で多剤耐性結核が認められた.広範囲薬剤耐性結核患者は,ほかの患者よりも多くの治療を受けており(平均レジメン数 [±SD] 4.2±1.9 対 3.2±1.6,P<0.001),その分離株はより多くの薬剤に耐性を示した(薬剤数 8.4±1.1 対 5.3±1.5,P<0.001).ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に重複感染した広範囲薬剤耐性結核患者はいなかった.広範囲薬剤耐性結核患者に対し,サイクロセリン,注射薬,フルオロキノロン系薬などを用いた管理下治療(平均薬剤数 5.3±1.3)を連日行った.治療を完了した患者,または治癒した患者は,広範囲薬剤耐性結核患者で 29 例(60.4%),多剤耐性結核患者で 400 例(66.3%)であった(P=0.36).

結 論

HIV 陰性患者における広範囲薬剤耐性結核は,結核に対し複数の治療を受けている場合でも,外来治療で治癒可能である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 359 : 563 - 74. )