The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

August 7, 2008 Vol. 359 No. 6

モノクローナル B 細胞リンパ球増加症と慢性リンパ性白血病
Monoclonal B-Cell Lymphocytosis and Chronic Lymphocytic Leukemia

A.C. Rawstron and Others

背景

慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia;CLL)の診断には,血中 CLL 表現型細胞数 5,000/mm3 以上が必要である.CLL 表現型細胞の少ない無症候性の患者は,モノクローナル B 細胞リンパ球増加症(monoclonal B-cell lympocytosis;MBL)といわれる.この研究の目的は,MBL と CLL の関連を検討することである.

方 法

年齢 62~80 歳で血球数の正常な 1,520 例と,リンパ球増加症(リンパ球数>4,000/mm3)を有する 2,228 例を対象とし,フローサイトメトリーを用いて MBL の有無を検討した.細胞遺伝学的解析および分子解析を用いて,モノクローナル B 細胞の特徴をさらに詳しく検討した.CLL 表現型 MBL およびリンパ球増加症を有する 185 例の代表コホートを,中央値 6.7 年(0.2~11.8 年)にわたり観察した.

結 果

CLL 表現型を有するモノクローナル B 細胞は,血球数が正常な被験者の 5.1%(1,520 例中 78 例)と,リンパ球増加症を有する被験者の 13.9%(2,228 例中 309 例)で検出された.CLL 表現型 MBL を有する被験者では,CLL と同様に,13q14 欠失およびトリソミー 12 の検出率が高く,また免疫グロブリン H 鎖可変群(IGHV)遺伝子レパートリーの偏りが認められた.リンパ球増加症を有する 185 例のうち,51 例(28%)でリンパ球増加症の進行,28 例(15%)で CLL への進行が認められ,13 例(7%)が化学療法を必要とした.B 細胞の絶対数は,リンパ球増加症の進行に関連する唯一の独立予後因子であった.中央値 6.7 年の追跡調査期間中,34%(185 例中 62 例)が死亡したが,これらのうち CLL による死亡は 4 例のみであった.年齢が 68 歳を超えていることと,ヘモグロビン値が 12.5 g/dL 未満であることが,死亡に関連する独立予後因子であった.

結 論

一般集団とリンパ球増加症を有する被験者に認められる CLL 表現型細胞は,CLL 細胞と共通の特徴を有している.CLL 表現型 MBL とリンパ球増加症を有する患者において,治療を必要とする CLL の発現率は年間 1.1%である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 359 : 575 - 83. )