The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 28, 2008 Vol. 359 No. 9

脳性麻痺予防のための硫酸マグネシウムに関する無作為化比較試験
A Randomized, Controlled Trial of Magnesium Sulfate for the Prevention of Cerebral Palsy

D.J. Rouse and Others

背景

早期産が予測される胎児を事前に硫酸マグネシウムに曝露することにより,脳性麻痺のリスクが低下する可能性があることが症例対照研究から示唆されている.

方 法

多施設共同プラセボ対照二重盲検試験において,切迫分娩のリスクのある妊娠 24~31 週の女性を,硫酸マグネシウム 6 g を静脈内ボーラス投与後に 2 g/時で持続静注する群と,マッチさせたプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.主要転帰は,死産,修正 1 歳までの乳児死亡,修正 2 歳以降の中等度または重度の脳性麻痺の複合とした.

結 果

計 2,241 例の女性を無作為化した.ベースライン特性は両群で同等であった.95.6%の児を追跡調査することができた.主要転帰の発生率には,硫酸マグネシウム群とプラセボ群で有意差は認められなかった(それぞれ 11.3%と 11.7%,相対リスク 0.97,95%信頼区間 [CI] 0.77~1.23).しかし,事前に規定した二次解析では,中等度または重度の脳性麻痺の発生頻度は硫酸マグネシウム群のほうが有意に低かった(1.9% 対 3.5%,相対リスク 0.55,95% CI 0.32~0.95).死亡リスクには両群で有意差は認められなかった(9.5% 対 8.5%,相対リスク 1.12,95% CI 0.85~1.47).生命にかかわるイベントが発生した女性はいなかった.

結 論

早期産が予測される胎児を事前に硫酸マグネシウムに曝露することにより,中等度または重度の脳性麻痺と死亡の複合リスクは低下しなかったが,生存児における脳性麻痺の発生率は低下した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00014989)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 359 : 895 - 905. )