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April 29, 2010 Vol. 362 No. 17

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2 型糖尿病における強化血圧コントロールの効果
Effects of Intensive Blood-Pressure Control in Type 2 Diabetes Mellitus

The ACCORD Study Group

背景

2 型糖尿病患者の収縮期血圧を 135~140 mmHg 未満に低下させる治療戦略を支持する無作為化試験のエビデンスはない.われわれは,心血管イベントリスクが高い 2 型糖尿病患者において,正常収縮期血圧(120 mmHg 未満)を目標とする治療により,主要心血管イベントが減少するかどうかを検討した.

方 法

4,733 例の 2 型糖尿病患者を,収縮期血圧 120 mmHg 未満を目標とする強化降圧治療群と,収縮期血圧 140 mmHg 未満を目標とする標準降圧治療群のいずれかに無作為に割り付けた.主要複合転帰は,非致死的心筋梗塞,非致死的脳卒中,心血管系の原因による死亡とした.平均追跡期間は 4.7 年であった.

結 果

1 年後の平均収縮期血圧は,強化治療群 119.3 mmHg,標準治療群 133.5 mmHg であった.主要転帰の年間発生率は,強化治療群 1.87%,標準治療群 2.09%であった(強化治療のハザード比 0.88,95%信頼区間 [CI] 0.73~1.06,P=0.20).年間の全死因死亡率は,強化治療群 1.28%,標準治療群 1.19%であった(ハザード比 1.07,95% CI 0.85~1.35,P=0.55).事前に規定した副次的転帰である脳卒中の年間発生率は,強化治療群 0.32%,標準治療群 0.53%であった(ハザード比 0.59,95% CI 0.39~0.89,P=0.01).高血圧治療に起因する重篤な有害事象は,強化治療群 2,362 例中 77 例(3.3%),標準治療群 2,371 例中 30 例(1.3%)に発現した(P<0.001).

結 論

心血管イベントリスクが高い 2 型糖尿病患者に収縮期血圧 120 mmHg 未満を目標とする治療を行っても,140 mmHg 未満を目標とする治療と比較して,致死的・非致死的主要心血管イベントの複合転帰の発生率は低下しなかった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00000620)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 362 : 1575 - 85. )