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日本語アブストラクト

April 29, 2010 Vol. 362 No. 17

習慣流産の女性に対するアスピリンとへパリンの併用投与とアスピリン単独投与の比較
Aspirin plus Heparin or Aspirin Alone in Women with Recurrent Miscarriage

S.P. Kaandorp and Others

背景

原因不明の習慣流産の女性には,生児出生率の改善を目的としてアスピリンと低分子ヘパリンが処方される.しかし,これらの薬剤の使用を支持する無作為化対照試験のデータは乏しい.

方 法

この無作為化試験では,原因不明の習慣流産の既往があり,妊娠を望んでいるか,妊娠 6 週未満である 18~42 歳の女性 364 例を登録した.対象を,アスピリン 80 mg/日投与と非盲検下でナドロパリン(nadroparin)を皮下投与(2,850 IU/日 を妊娠の可能性が確認された時点で開始)する群,アスピリン 80 mg/日を単独投与する群,プラセボを投与する群に無作為に割り付けた.主要転帰項目は生児出生率とし,副次的転帰は流産率,分娩合併症発生率,母体・胎児の有害事象発生率などとした.

結 果

生児出生率に 3 群間で有意差はみられなかった.生児を出産した女性の割合は,アスピリン+ナドロパリン併用群 54.5%,アスピリン単独群 50.8%,プラセボ群 57.0%であった(生児出生率の絶対差:併用群 対 プラセボ群 -2.6 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] -15.0~9.9;アスピリン単独群 対 プラセボ群 -6.2 パーセントポイント,95% CI -18.8~6.4).妊娠女性 299 例の生児出生率は,併用群で 69.1%,アスピリン単独群で 61.6%,プラセボ群で 67.0%であった(生児出生率の絶対差:併用群 対 プラセボ群 2.1 パーセントポイント,95% CI -10.8~15.0;アスピリン単独群 対 プラセボ群 -5.4 パーセントポイント,95% CI -18.6~7.8).注射部位の内出血と腫張または瘙痒が増加する傾向は,併用群でほかの 2 群と比較して有意に強かった.

結 論

原因不明の習慣流産の女性に対し,アスピリンとナドロパリンを併用投与しても,アスピリンを単独投与しても,プラセボ投与と比較して生児出生率に改善はみられなかった.(Current Controlled Trials 番号:ISRCTN58496168)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 362 : 1586 - 96. )