大腸内視鏡検査の質の指標と中間期癌のリスク
Quality Indicators for Colonoscopy and the Risk of Interval Cancer
M.F. Kaminski and Others
スクリーニング大腸内視鏡検査の質の評価には,腺腫病変(腫瘍またはポリープ)の発見率と盲腸到達率を指標として用いることが推奨されているが,これらの評価項目の妥当性は検証されておらず,重要性は依然として明らかにされていない.
多変量 Cox 比例ハザード回帰モデルを使用し,大腸内視鏡の質の指標が中間期癌のリスクに及ぼす影響を評価した.データは,45,026 人を対象とした大腸内視鏡による大腸癌スクリーニングプログラムに携わった内視鏡専門医 186 人から集めた.中間期癌は,スクリーニング大腸内視鏡検査時から,所定のサーベイランス大腸内視鏡検査時のあいだに診断された大腸腺癌と定義した.スクリーニングプログラムのデータベースから大腸内視鏡検査の質の指標に関するデータを,癌登録から中間期癌に関するデータを入手した.この研究の主要な目的は,大腸内視鏡検査の質の指標と中間期癌のリスクとの関連を評価することである.
188,788 人年の期間に,42 個の中間期大腸癌が同定された.内視鏡専門医の腺腫発見率は中間期癌のリスクと有意に関連していたが(P=0.008),盲腸到達率と中間期癌のリスクとの関連は有意ではなかった(P=0.50).腺腫発見率によるハザード比は,発見率 20.0%以上の場合と比較して,発見率 11.0%未満で 10.94(95%信頼区間 [CI] 1.37~87.01),11.0~14.9%で 10.75(95% CI 1.36~85.06),15.0~19.9%で 12.50(95% CI 1.51~103.43)であった(すべての比較において P=0.02).
腺腫発見率は,スクリーニング大腸内視鏡検査後の中間期大腸癌リスクの独立した予測因子である.