The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

June 10, 2010 Vol. 362 No. 23

妊娠中のバルプロ酸単独療法と主要な先天奇形
Valproic Acid Monotherapy in Pregnancy and Major Congenital Malformations

J. Jentink and Others

背景

妊娠第 1 期におけるバルプロ酸の使用は二分脊椎のリスク増加と関連することが示されているが,ほかの先天奇形のリスクに関するデータは限られている.

方 法

最初に,すでに発表されている 8 つのコホート研究のデータ(バルプロ酸に曝露した女性の妊娠 1,565 件;118 件に主要な奇形を確認)を統合し,妊娠第 1 期にバルプロ酸を使用した女性が出産した児において有意に頻度が高かった 14 奇形を同定した.続いて,地域住民ベースの先天奇形登録から抽出された欧州先天奇形サーベイランス(European Surveillance of Congenital Anomalies:EUROCAT)の抗てんかん薬研究データベースを用いて症例対照研究を行い,妊娠第 1 期におけるバルプロ酸の使用と,この 14 奇形との関連を検討した.14 奇形のいずれかを伴う登録症例(すなわち EUROCAT に登録された奇形を伴う妊娠転帰)を,バルプロ酸使用との関連が示されていない奇形を伴う児から成る群(対照群 1)と,染色体異常を伴う児から成る群(対照群 2)の 2 つの対照群と比較した.このデータセットには,1995~2005 年の欧州 14 ヵ国における出産 380 万件中の,奇形を伴う生産・死産・妊娠中絶 98,075 件のデータが含まれた.

結 果

バルプロ酸単独療法への曝露は計 180 件の登録症例で記録されており,内訳は症例群が 122 件,対照群 1 が 45 件,対照群 2 が13 件であった.妊娠第 1 期に抗てんかん薬を使用していない場合(対照群 1)と比較して,バルプロ酸単独療法の使用は,検討した 14 奇形のうち 6 奇形のリスク増加と有意に関連し,補正オッズ比は二分脊椎 12.7(95%信頼区間 [CI] 7.7~20.7),心房中隔欠損 2.5(95% CI 1.4~4.4),口蓋裂 5.2(95% CI 2.8~9.9),尿道下裂 4.8(95% CI 2.9~8.1),多指症 2.2(95% CI 1.0~4.5),頭蓋縫合早期癒合症 6.8(95% CI 1.8~18.8)であった.バルプロ酸への曝露による結果は,ほかの抗てんかん薬への曝露による結果と類似していた.

結 論

妊娠第 1 期におけるバルプロ酸単独療法は,抗てんかん薬を使用していない場合やほかの抗てんかん薬を使用した場合と比べて,いくつかの先天奇形のリスク増加と有意に関連した.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 362 : 2185 - 93. )